🐟 カツオ11:食性と捕食 ― 速さでつかむ海の獲物 ―

カツオシリーズ

― 外洋の青い空間は、獲物の気配も薄く、追いかける相手も速い。そのなかで生きるカツオは、単なる“強い魚”ではなく、速さと群れの連携を合わせた捕食者だ。海の中層で小魚を追い、瞬間的に群れの形を変えながら餌を囲い込む。

ここでは、カツオの食性・狩りの方法・餌の季節変化を整理し、外洋で生き抜く捕食の仕組みを見ていく。

🐟目次

🐟 1. 主な食べ物 ― 外洋の“動く餌”を追う

カツオは動きの速い小魚を中心とした肉食魚である。

  • イワシ類: 最も重要な獲物
  • サバ類の幼魚: 季節によって大量に追う
  • アジ類・キビナゴ: 外洋での主要な餌
  • イカ・甲殻類: 補助的に捕食

止まっている獲物ではなく、“動いている餌”を追うタイプの捕食者だ。

💨 2. 狩りの方法 ― 速度と群れで包囲する

カツオの狩りは、個体の速さと群れの連動によって成立する。

  • 高速直進で追い込み: 群れ全体で方向を揃えて餌を圧迫
  • 包囲陣形: 餌の左右や下から囲んで逃がさない
  • 旋回行動: 小魚のスピード変化に合わせて瞬時に方向転換

個体の性能に加えて、“群れがひとつの生き物のように動く”ことが重要な武器になる。

🕊️ 3. 海鳥との協力 ― 空と海の共同戦線

外洋では、カツオはしばしば海鳥と共に狩りを行う

  • 海鳥が上空から小魚群を発見: カツオが追い込みやすくなる
  • カツオが下から押し上げる: 海鳥が水面近くの餌を捕らえる
  • 互いに餌場のサインとなる: 海鳥の動きはカツオ群への重要な情報

空と海、それぞれの視点を使って獲物を探し合う、外洋ならではの協力関係だ。

🌏 4. 季節による変化 ― 回遊と餌の移り変わり

カツオの餌は、回遊に合わせて季節ごとに変わっていく。

  • 春〜初夏: 北上してイワシ類・キビナゴを多く追う
  • 夏〜秋: 北の海でサバ幼魚・イカ類を多く捕食
  • 秋〜冬: 南下しながら小魚全般を広く追う

餌の豊富な“温度帯”を追うようにして、カツオの季節が形づくられている。

🌙 5. 詩的一行

群れの青い影が海を押し上げ、光にきらめく小魚を追いかけながら、季節の狭間を駆け抜けていく。

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