🐝ミツバチ3：巣と生活 ― 六角形が支える暮らし

― 六つの角が、小さな群れの時間を支えている ―

ミツバチの巣は、ただの“家”ではない。巣そのものが温度を保ち、幼虫を育て、蜜や花粉を蓄え、 群れの生活を支える仕組みになっている。そして、巣を形づくる六角形（ハニカム構造）は、自然界で最も効率のよい形のひとつだ。

🐝目次

ミツバチの巣は、 育児・貯蔵・休息・温度調整・情報交換のすべてが行われる場所。女王蜂が産卵し、働き蜂が幼虫を育て、蜜と花粉の管理を行い、巣全体がひとつの“巨大な生命体”のように動く。

・六角形の巣房に卵を産む・花粉は幼虫の餌に、蜜はエネルギー源に・巣内の温度管理は働き蜂が担当

巣が安定しているほど、群れは強く、働き蜂もよく働く。

“なぜミツバチの巣は六角形なのか？” これは検索でも非常に多く調べられる疑問で、答えは明確だ。

六角形は、・材料（蜜蝋）を最も少なくでき・同じ面積を最大限に確保でき・強度が高く崩れにくいという自然界で最も効率的な形だから。

ミツバチが六角形を「計算して作っている」わけではない。蜜蝋の柔らかさと隣同士の圧力で、 自然に六角形が形成される物理現象だ。

ハニカム構造は、自然とミツバチの行動が生んだ最適解といえる。

ミツバチの巣内温度は、常に34〜36℃に保たれている。これは、幼虫が正常に育つための最適な温度だ。

・暑い日は働き蜂が羽ばたいて換気・寒い日は集まって熱を生む・湿度は蜜と花粉の保存に影響

小さな身体でも、巣全体を温度のそろった“部屋”に保つ技術を持っている。

巣の一角は蜜の貯蔵庫になり、もう一角は花粉の倉庫になる。この配置は混乱しないように決まっており、巣全体が機能的に使われている。

・蜜はエネルギー源・花粉は幼虫の大切なタンパク源・巣房の色が濃くなるほど“歴史”が積み重なっている

働き蜂は、季節の変化を感じ取りながら蓄えを増やしたり減らしたりしている。

働き蜂は、腹部から蜜蝋（びろう）を分泌し、それを噛んで柔らかくして巣を作る。巣づくりの初期は丸い形になるが、温度と圧力で自然と六角形へ変わっていく。

・蜜蝋は大量のエネルギーを使って生産・若い働き蜂ほど蜜蝋を出しやすい・巣作りは役割のひとつとして受け継がれる

巣が完成する頃、六角形がびっしり並ぶ景色は、自然が作る“構造美”そのものだ。

六つの角が寄り添うたび、小さな世界が quietly 整っていく。