🌸 サクラ14:オオシマザクラ ― 香りと葉が支える系譜 ―

サクラシリーズ

🌸 基礎情報

  • 分類:バラ科/サクラ属
  • 学名:Prunus speciosa
  • 和名:オオシマザクラ(大島桜)
  • 分布:伊豆諸島、伊豆半島南部
  • 樹高:10〜15m
  • 花期:3〜4月
  • 結実:5〜6月
  • 生育環境:海岸近く、火山島、斜面
  • 特徴:白い大輪の花と強い香りを持つサクラ

オオシマザクラは、
花の色よりも、
香りで存在を知らせるサクラだ。

近づくと、
ほのかに甘く、
どこか青さを含んだ匂いが漂う。

花見の賑わいの中心に立つことは少ない。
だが、サクラという系譜を内側から支えてきた、
重要な基礎種でもある。

🌸 目次

🌿 1. オオシマザクラとはどんなサクラか

オオシマザクラは、
主に伊豆諸島に自生するサクラだ。

海に近い斜面や、
火山灰質の土壌にも耐え、
環境への適応力が高い

葉は大きく、
花も比較的大きい。

その姿は、
山の中で咲くヤマザクラとは対照的で、
開けた場所で映える

🌸 2. 大きく白い花と香り

オオシマザクラの花は、
白く、丸みがあり、
開花時に強い香りを放つ。

多くのサクラが、
視覚で昆虫を引き寄せるのに対し、
オオシマザクラは嗅覚にも訴える

  • 花色:
  • 香り:クマリン由来の甘い匂い

この性質は、
風の強い島嶼環境で、
受粉相手を確保するための戦略でもある。

🍃 3. 葉がもつ役割と利用

オオシマザクラの葉は、
厚く、大きく、香りを含む。

この葉は、
日本の食文化の中で、
特別な役割を果たしてきた。

桜餅を包む葉は、
多くの場合、オオシマザクラ由来だ。

塩漬けにすると、
香り成分が引き出され、
餅に移る。

サクラが、
「見るもの」だけでなく、
使われる植物になった数少ない例だ。

🧬 4. 園芸品種を支えた系譜

オオシマザクラは、
多くの園芸品種の親となっている。

花の大きさ、
香り、
丈夫さ。

これらの性質が、
他のサクラと交雑し、
新しい品種を生んだ。

ソメイヨシノをはじめ、
現代のサクラ景観の背後には、
オオシマザクラの血筋が流れている。

🌙 詩的一行

オオシマザクラは、目立たずに、春の香りを受け渡してきた。

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