🌸 サクラ13:エドヒガン ― 長寿のサクラ ―

サクラシリーズ

🌸 基礎情報

  • 分類:バラ科/サクラ属
  • 学名:Prunus pendula f. ascendens
  • 和名:エドヒガン(江戸彼岸)
  • 分布:日本(本州・四国・九州)
  • 樹高:10〜20m
  • 花期:3月中旬〜下旬(ソメイヨシノより早い)
  • 結実:5〜6月
  • 生育環境:山地、斜面、寺社、集落周辺
  • 特徴:サクラ類の中でも特に寿命が長い系統

サクラは短命だと、よく言われる。
だが、その常識から、
静かに外れているサクラがある。

エドヒガンは、
数百年を生きることができる、
例外的な長寿のサクラだ。

派手さはない。
だが、同じ場所に立ち続け、
何世代もの春を見送ってきた。

🌸 目次

🌳 1. エドヒガンとはどんなサクラか

エドヒガンは、
日本の山地に自生する野生種の一つだ。

樹形は直立的で、
枝は比較的しっかりしている。

花は白から淡紅色で、
派手に密集せず、
枝ごとに静かに咲く

ソメイヨシノの祖先の一つとされ、
多くの園芸品種の基礎にもなっている。

⏳ 2. なぜ長生きできるのか

エドヒガンが長寿である理由は、
一本の特別な能力ではない。

いくつかの性質が、
結果として寿命を延ばしている。

  • 成長:比較的ゆっくり
  • 木質:他のサクラよりやや硬い
  • 枝:折れにくい構造

急がず、
無理をせず、
傷を溜め込みにくい。

その積み重ねが、
数百年という時間につながる。

🌱 3. 名木が多い理由

各地に残る「一本桜」の多くは、
エドヒガン、またはその系統だ。

それは、
長く生きるから残ったのではない。

残りやすい場所に立ち、
人の暮らしから、
少し距離を保ってきた。

山の斜面、
寺社の奥、
開発の手が届きにくい場所。

そこで、
時間を受け止めてきた。

🌸 4. 早咲きという性質

エドヒガンは、
春分(彼岸)の頃に咲くことが多い。

そのため、
この名がついた。

気温が安定しきらない時期に咲くため、
一斉性は低く、
年ごとの差も出やすい。

だが、そのばらつきは、
自然の中では不利ではない。

花期を分散させることで、
天候リスクを分け合っている

🌙 詩的一行

エドヒガンは、長く生きるために、急がない春を選んだ。

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