🌸 基礎情報
- 分類:バラ科/サクラ属
- 学名:Prunus pendula f. ascendens
- 和名:エドヒガン(江戸彼岸)
- 分布:日本(本州・四国・九州)
- 樹高:10〜20m
- 花期:3月中旬〜下旬(ソメイヨシノより早い)
- 結実:5〜6月
- 生育環境:山地、斜面、寺社、集落周辺
- 特徴:サクラ類の中でも特に寿命が長い系統
サクラは短命だと、よく言われる。
だが、その常識から、
静かに外れているサクラがある。
エドヒガンは、
数百年を生きることができる、
例外的な長寿のサクラだ。
派手さはない。
だが、同じ場所に立ち続け、
何世代もの春を見送ってきた。
🌸 目次
🌳 1. エドヒガンとはどんなサクラか
エドヒガンは、
日本の山地に自生する野生種の一つだ。
樹形は直立的で、
枝は比較的しっかりしている。
花は白から淡紅色で、
派手に密集せず、
枝ごとに静かに咲く。
ソメイヨシノの祖先の一つとされ、
多くの園芸品種の基礎にもなっている。
⏳ 2. なぜ長生きできるのか
エドヒガンが長寿である理由は、
一本の特別な能力ではない。
いくつかの性質が、
結果として寿命を延ばしている。
- 成長:比較的ゆっくり
- 木質:他のサクラよりやや硬い
- 枝:折れにくい構造
急がず、
無理をせず、
傷を溜め込みにくい。
その積み重ねが、
数百年という時間につながる。
🌱 3. 名木が多い理由
各地に残る「一本桜」の多くは、
エドヒガン、またはその系統だ。
それは、
長く生きるから残ったのではない。
残りやすい場所に立ち、
人の暮らしから、
少し距離を保ってきた。
山の斜面、
寺社の奥、
開発の手が届きにくい場所。
そこで、
時間を受け止めてきた。
🌸 4. 早咲きという性質
エドヒガンは、
春分(彼岸)の頃に咲くことが多い。
そのため、
この名がついた。
気温が安定しきらない時期に咲くため、
一斉性は低く、
年ごとの差も出やすい。
だが、そのばらつきは、
自然の中では不利ではない。
花期を分散させることで、
天候リスクを分け合っている。
🌙 詩的一行
エドヒガンは、長く生きるために、急がない春を選んだ。
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