☕ コーヒー20:フェアトレード ― 価格と生活の問題 ―

一杯のコーヒーの値段は、
店に並んだ瞬間だけで決まっているわけではない。

その奥には、
豆を育てる時間、土地、労働、生活がある。

だが現在の仕組みでは、
価格と生活が切り離されたまま取引されることが多い。

フェアトレードは、
その切断をつなぎ直そうとする試みだ。

☕ 目次

🌍 1. コーヒーの価格はどう決まるのか

コーヒーは、世界規模で取引される商品だ。
多くの場合、その価格は国際相場によって決まる。

この相場は、
天候、投機、為替、在庫量などに左右される。
だが、生産者が暮らしていけるかどうかは、
価格決定の基準には含まれていない。

価格は下がっても、
木の手入れや収穫の手間は変わらない。
コーヒーは、待ってくれない作物だからだ。

💰 2. 数字で見る「安さ」の構造

ここで、ひとつの概算モデルを見てみる。

  • 例:一般的な流通構造(概算)
  • ・日本での販売価格:1杯 約400〜600円
  • ・生豆1kgの国際相場:約200〜300円相当
  • ・生産者に届く金額:1kgあたり 約50〜100円

1杯の価格だけを見ると、
安すぎるとは感じないかもしれない。

だが、生産者側に届く金額は、
生活費・教育費・農園維持をまかなうには、
きわめて厳しい水準になる。

問題は、高いか安いかではない。
生活が成立する価格かどうかだ。

🤝 3. フェアトレードという設計

フェアトレードは、
慈善ではなく、取引の設計を変える考え方だ。

最低価格の保証、
長期的な契約、
地域へのプレミアム。

これらによって、
価格の変動に生活が振り回されないようにする。

  • フェアトレード価格の考え方(概算)
  • ・生豆1kgあたり:300〜400円以上を保証
  • ・加えて地域投資用のプレミアム
  • ・目的:生活・教育・農園維持が成り立つ水準

安定した収入があれば、
生産者は木を長く育て、
土壌を守る選択ができる。

フェアトレードは、
品質を守るための前提条件でもある。

⚖️ 4. 選ぶことで変わる関係

フェアトレードは万能ではない。
価格はやや上がることもある。

だが、
「どこから来たか」を知ることで、
飲み手と作り手の関係は変わる。

選ぶという行為は、
小さくても、確かな意思表示だ。

一杯のコーヒーに、
誰かの生活が続く条件を含めるかどうか。

それを決めているのは、
市場だけではない。

☕ 詩的一行

値段の向こうにある暮らしを、切り捨てない。

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