🪲 カブトムシ25:里山とカブトムシ ― 環境変化と減少 ―

カブトムシシリーズ

カブトムシは、
森があれば生きられる昆虫ではない。

必要としてきたのは、
人の手が入り続けた森だった。

雑木林、落ち葉、伐採、更新。
その繰り返しの中で、
カブトムシは居場所を保ってきた。

だがその前提が、
いま、静かに崩れている。

🪲 目次

🏞 1. 里山という生息基盤

日本のカブトムシは、
原生林の奥深くではなく、
里山に多く生息してきた。

クヌギやコナラを中心とした雑木林。
落ち葉が積もり、
腐植質が豊富な土壌。

これらは、
自然のままに成立したのではない。

薪炭利用や落ち葉掻きといった、
人の営みの結果として維持された環境だ。

🪓 2. 管理の停止がもたらした変化

里山利用が減ると、
一見、自然が回復したように見える。

だが実際には、
林床は暗くなり、
落ち葉は分解されにくくなる。

常緑樹やササが広がり、
クヌギ・コナラ林は更新されない。

結果として、
樹液が出る木も、
幼虫が育つ土壌も、
同時に失われていく。

📉 3. 見えにくい減少のかたち

カブトムシは、
突然いなくなるわけではない。

「今年は少ない」
「場所が変わった」

そうした変化が、
何年も積み重なる。

夜に出歩く昆虫であるため、
減少は気づかれにくい。

だが、
分布の縮小と個体数の低下は、
確実に進んでいる。

🔁 4. 里山とカブトムシのこれから

カブトムシを守ることは、
単に一種を残すことではない。

里山という、
人と自然が重なってきた場所を、
どう扱うかという問いでもある。

伐ること。
使うこと。
更新すること。

それらを完全にやめた場所では、
カブトムシは生きにくい。

関わり方を選び直すことが、
結果として、
彼らの居場所を残すことにつながる。

🌙 詩的一行

カブトムシは、里山が動かなくなったことを、いち早く知っていた。

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