🐟 タイ15:ヘダイ ― 草を食む異端 ―

タイシリーズ

🐟 基礎情報

  • 分類:スズキ目・タイ科
  • 和名:ヘダイ(平鯛)
  • 学名:Rhabdosargus sarba
  • 英名:Goldlined seabream
  • 分布:日本近海、西太平洋、インド洋
  • 主な生息環境:沿岸の岩礁域・藻場
  • 水深:浅場〜水深50m前後
  • 体長:最大60cm前後
  • 食性:海藻・海草・付着藻類(雑食だが植物性が多い)
  • 特徴:平たい体形、草食傾向の強いタイ

タイは、噛み砕く魚だ。
貝を割り、甲殻を砕き、
底にあるものを食べてきた。

その常識から、
静かに外れているタイがいる。

藻場に身を寄せ、
岩に付いた藻をついばむ。
ヘダイは、草を食べるタイだ。

🐟 目次

🌿 1. ヘダイの基本的な生き方

ヘダイは、沿岸の浅い岩礁域や藻場を生活の場とする。
回遊はほとんど行わず、
一定の範囲にとどまる傾向が強い。

群れで見られることも多く、
同じ場所で、同じ資源を繰り返し利用する。

この定着性は、
餌が「動かない」ことと深く結びついている。

🌱 2. 草を食べるという選択

ヘダイの食性は、
タイ科の中でも特異だ。

主な餌は、
岩に付着する藻類や、
海草の柔らかい部分。

動く獲物を追う必要はない。
だがその代わり、
消化に時間のかかる資源を利用する。

これは、競争を避けるための選択でもある。

🦷 3. 歯と顎の使い方

ヘダイの歯は、
貝を割るための臼歯よりも、
刈り取るような形をしている。

藻を噛み切り、
表面を削ぎ取るように食べる。

顎の力は強いが、
目的は「破壊」ではなく、
切り取ることにある。

🪨 4. 藻場とヘダイ

ヘダイは、藻場の中で生きる。
そこは、隠れ場所であり、
同時に食卓でもある。

藻を食べることで、
藻場の更新が進み、
環境が偏りにくくなる。

ヘダイは、
藻場の使い手として、
生態系の一部を担っている。

🌊 詩的一行

ヘダイは、噛み砕く道を離れ、静かに草を選んだ。

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