🐟イワシ12:海の連鎖 ― 食べられる命の哲学 ―

イワシシリーズ

― 食べられることは、海の約束 ―

イワシは、海の命をつなぐ要の魚だ。 プランクトンを食べ、そして多くの魚や鳥、哺乳類に食べられる。 その循環が、海という世界を支えている。
食べられることは、終わりではない。 次の命へと渡すための始まりでもある。


🌾目次


🌊 海のピラミッド ― 小さな魚の大きな役割

海の中では、命が階段のように重なっている。 最下層には植物プランクトン、その上に動物プランクトン、 そしてそれを食べるイワシのような小魚たちがいる。 イワシは海の“中継点”――エネルギーを運ぶ舟のような存在だ。
イワシが豊かなら、海鳥もイルカも、大型魚も豊かになる。 群れの行方は、海の健康そのものを映している。


🐟 捕食と循環 ― 食べることは生きること

海の中では、常に“食べる”と“食べられる”が続いている。 それは残酷ではなく、海が息をするための仕組み。 イワシが捕食されることで、海のエネルギーは上へと渡っていく。 その流れの中で命は絶えるのではなく、形を変えて生き続けている。
命の重なりを見つめるとき、 “食べる”という行為が静かな感謝に変わる。


🌱 人が食べる ― 海との関わりを考える

私たちが食卓で手に取るイワシも、 その大きな連鎖の一部にある。 焼き魚、煮干、味噌汁の出汁―― どれも、命の記憶を日常の中で受け取っている。
海の恵みを“食べる”とは、 その循環の中に静かに参加すること。 だからこそ、感謝の心が大切になる。 命の数だけ、海の時間が続いているのだ。


🌙 詩的一行

食べられながら、海は生きている。


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