🐟サバ13：群れと回遊 ― 海のリズムを生きる ―

― 海のリズムを生きる ―

海には音がないようで、確かに鼓動がある。
サバの群れが動くとき、海全体が息をする。
数万尾がひとつの影となり、光を裂きながら進む。
その流れこそ、海が生きているという証だった。

🌾目次

サバの群れは、一匹ではなく“ひとつの体”のように動く。
わずかな水流の変化を感じ取り、隣の魚と呼吸を合わせる。
敵から身を守るためでもあり、海を効率的に泳ぐためでもある。
その秩序は、言葉を超えた生命の調和だった。

サバは黒潮や対馬海流に乗り、季節ごとに旅をする。
餌を求め、産卵の場を求め、海を越えていく。
その旅は、海流の力と地球の呼吸に導かれた道。
海の魚たちは、見えない地図の上を正確に泳いでいる。

群れの動きは、潮の満ち引き、月の引力、風の向きと連動している。
魚たちはそれを“感じる”ことで、地球と呼吸を合わせている。
サバの旅は、ただの移動ではなく、地球という生命体の一部としての鼓動だった。

群れは海の心臓、回遊はその鼓動。