🐟サバ12:サバの季節 ― 春と秋の海 ―

サバシリーズ

― 春と秋の海 ―

サバの一年には、二つの季節がある。
春、黒潮に乗って北へ向かう群れ。
秋、再び南へ戻る群れ。
その往復の中で、海の色も、人の食卓も移り変わっていく。


🌾目次


🌸 春のサバ ― 北を目指す群れ

春、黒潮が勢いを増す頃、サバの群れは北上を始める。
九州から四国、紀伊半島を経て、東北へ。
産卵を終えた魚たちは身が軽く、春のサバはあっさりとした味。
それでも、その身には冬を越えた海の力が宿っている。


🍂 秋のサバ ― 脂の乗る季節

秋、北の海で育ったサバは、南へと帰る。
この頃のサバは脂が最も乗り、身は厚く、味わい深い。
「秋サバは嫁に食わすな」と言われるほど、うまさが際立つ。
それは海の恵みが一年を締めくくる贈り物だった。


🌊 季節と人 ― 海と暮らしのリズム

海の季節は、漁の季節であり、食の季節でもある。
サバの旬を待つ人々の暮らしは、海の呼吸と重なっている。
春と秋――その二つの時間が、日本の海を巡る命の鼓動を刻む。


🌙 詩的一行

潮の匂いに季節を感じ、魚の影に時間を見る。


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