分類:鳥綱 カモ目 カモ科 ハクチョウ属
学名:Cygnus columbianus columbianus
分布:北アメリカ・アラスカで繁殖し、北米本土で越冬。まれに日本にも渡来。
体長:約120cm/翼開長約200cm
体重:6〜7kg
食性:水草・根・穀物などの植物食
特徴:コハクチョウによく似るが、くちばしの黄色が小さく、声が高く澄む。日本では迷鳥として観察される稀少種。
― 遠い空から ―
冬の湖に、聞き慣れない声が混じる。
その白は、海の向こうからやってきた。
アメリカコハクチョウ――北米の空を旅し、偶然の風に乗って日本へ辿りつく小さな奇跡。
その翼は、大陸と大陸を結ぶ一本の光のようだ。
🌾目次
🌿 姿 ― 似ていて少し違う白
アメリカコハクチョウは、コハクチョウとほとんど同じ姿をしている。
見分けの鍵は、くちばしの黄色い部分が小さいこと。
声は少し高く、風に混じるように響く。
一見区別がつかないほど似ていても、その佇まいには異国の空気が漂う。
🌏 渡り ― ベーリング海を越える風
繁殖地はアラスカ北部。
秋になると北米大陸の南部へ渡るが、時に風向きが変わるとベーリング海を越えて東アジアへ流される。
日本で観察されるのは、ほんの数羽の“迷い鳥”。
彼らの飛来は、季節と大気が生む偶然の詩のようだ。
🕊 出会い ― 迷鳥という偶然
国内で出会うことはごく稀だが、望遠鏡の先に見つけた一羽は特別な存在になる。
風に運ばれ、地球の曲線を越えてきたその小さな命。
群れの中で鳴く声は遠くの空を思わせ、私たちに“世界はひとつの風でつながっている”ことを教えてくれる。
🌙 詩的一行
風の彼方から、白い声が届いた。
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