タバコと聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、
ニコチアナ・タバカムか、ルスチカだろう。
だがそれは、人に選ばれたごく一部にすぎない。
ニコチアナ属には、
嗜好品として使われなかった種、
今も野生のまま生きている種が数多く存在する。
ここでは、主役にならなかったニコチアナたちを通して、
タバコという植物群の広がりを見ていく。
【基礎情報】
- 総称:野生ニコチアナ類
- 学名:Nicotiana spp.
- 分類:ナス科/ニコチアナ属
- 種数:約60〜80種
- 分布:南北アメリカ・オーストラリアなど
- 生活型:一年草〜多年草
- 利用:観賞用・研究用・非利用
- 共通点:アルカロイドを含むことが多い
🌿 目次
🌱 1. ニコチアナ属の広がり
ニコチアナ属は、限られた環境に閉じた植物群ではない。
乾燥地、山地、草原、攪乱地など、さまざまな場所に適応してきた。
草丈が低いもの、
花を目立たせるもの、
防御物質を強く持つもの。
それぞれが、異なる環境条件への答えとして存在している。
🌼 2. 嗜好品にならなかった理由
多くの野生ニコチアナは、
嗜好品として利用されなかった。
理由は明確だ。
葉が小さい、成分が不安定、栽培に向かない。
人は、使いやすい性質を持つ種だけを残した。
それ以外は、評価の外に置かれた。
🌸 3. 観賞用ニコチアナという存在
ニコチアナ属の中には、
花の美しさを理由に栽培されている種もある。
夕方に香りを放つもの、
白く大きな花を咲かせるもの。
これらは、タバコとしてではなく、
園芸植物として人と関わってきた。
同じ属でも、
使われ方はまったく異なる。
🍃 4. 野生種が示す本来の姿
野生ニコチアナ類を見ると、
タバコという植物が、本来は多様な草の集合であることがわかる。
人が関わらなければ、
主役も中心も存在しない。
タバコは、選ばれた結果、
一部だけが名前を代表した。
野生種は、その外側で、
今も静かに生き続けている。
🍃 詩的一行
選ばれなかったニコチアナたちは、名前を競わずに土地に残った。
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