🌱 植物プランクトン16:漁業と植物プランクトン ― 海の生産力を決めるもの ―

植物プランクトンシリーズ

海で魚が獲れるかどうかは、
魚の数だけで決まるわけではない。

もっと手前に、
目に見えない段階がある。

植物プランクトンは、
漁業という営みの、
最も静かな基盤だ。

🌱 目次

🎣 1. 漁業の出発点としての一次生産

魚は、
突然海に現れるわけではない。

卵が生まれ、
仔魚が育ち、
その過程で、
大量のエネルギーを必要とする。

そのエネルギーの出発点が、
植物プランクトンによる一次生産だ。

動物プランクトンがそれを食べ、
仔魚がそれを追い、
魚が育つ。

漁業は、
この連なりの最終段階に過ぎない。

🌊 2. 豊かな海と植物プランクトン

「魚がよく獲れる海」は、
多くの場合、
植物プランクトンが安定して生産されている。

沿岸の湧昇域、
栄養が供給される海域では、
珪藻を中心とした一次生産が活発になる。

その結果、
動物プランクトンが増え、
仔魚の生残率が上がる。

漁場の良し悪しは、
目に見えない植物プランクトンの量と質に、
強く依存している。

📉 3. 見えない変化が漁獲を左右する

植物プランクトンの変化は、
すぐに漁獲量として現れない。

数か月、
あるいは数年後に、
「魚が減った」という形で表れる。

水温の変化、
栄養の流れの変化、
種構成の入れ替わり。

それらは、
漁業者の努力では、
直接どうすることもできない。

それでも、
海の基盤が変わったという事実だけは、
確実に影響を及ぼす。

⚖️ 4. 管理できないものとの付き合い方

植物プランクトンは、
人間が管理できる資源ではない。

増やそうとして増えるものでもなく、
減らそうとして止められるものでもない。

だからこそ、
漁業は、
植物プランクトンを直接扱わない。

代わりに、
その変化を読み、
それに合わせて、
獲り方や時期を調整してきた。

漁業とは、
制御ではなく適応の技術なのだ。

🌙 詩的一行

獲る前に、すでに海はつくっていた。

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