― 南のサバたち ―
日本の海を離れ、さらに南へ――
そこには「サバ」と呼ばれながら、少し異なる姿をした魚たちがいる。
グルクマ、タカサゴ、マルサバ……
熱帯の海で暮らす彼らは、青い潮の記憶を引き継ぐ“南のサバ”たちだ。
📘分類・基礎情報
- 分類:スズキ目 サバ科・アジ科 など(地域により分類差あり)
- 代表種:グルクマ(Rastrelliger kanagurta)
- 分布:沖縄〜南西諸島、東南アジア沿岸、インド洋・太平洋の熱帯域
- 体長:25〜35cm前後
- 食性:プランクトン食性が強く、沿岸域で群れを成す
- 特徴:「グルクマ」は沖縄方言名。体は細く、鱗が大きく光沢が強い。サバに似るが、やや異なる属。
🌾目次
🌊 生態 ― 熱帯の海を泳ぐ群れ
グルクマは、沖縄からフィリピン、東南アジアにかけて広く分布する。
温暖な海の表層を大群で泳ぎ、プランクトンを濾して食べる。
マサバやゴマサバのように長距離の回遊はせず、
一年を通して暖かな海域にとどまる南のサバである。
🌺 名と文化 ― 沖縄の“グルクマ”
沖縄では「グルクマ」は食卓の定番魚。
刺身、煮つけ、から揚げ、味噌汁――その料理法は多彩。
マサバよりも脂が少なく、さっぱりとした味わいで、
「南の鯖」として古くから親しまれてきた。
🐠 多様性 ― サバの名を持つ者たち
南の海では、サバ科以外の魚も「サバ」と呼ばれることがある。
「マルサバ」「タカサゴ」「トロピカルサバ」など、
地域によって呼び方も姿も異なるが、
どれも“海の群れ”を象徴する存在だ。
サバとは、海の記憶を共有する名前でもある。
🌙 詩的一行
南の海は、サバの記憶をいくつも持っている。
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