― 黒潮の模様 ―
青い海の流れに沿って、黒い斑点が揺れる。
マサバとよく似た姿を持ちながら、
その体には独特の「模様」がある。
ゴマサバ――黒潮を泳ぐ南のサバである。
📘分類・基礎情報
- 分類：スズキ目 サバ科 サバ属
- 和名：ゴマサバ（胡麻鯖）
- 学名：Scomber australasicus
- 分布：九州以南〜南日本の太平洋岸、東シナ海など暖海域
- 体長：30〜45cm前後
- 体重：800g前後
- 食性：小魚・甲殻類・プランクトン
- 特徴：背に黒い斑点（胡麻模様）を持つ。マサバより南方性が強く、身質はやや淡泊。
🌾目次
🌊 生態 ― 黒潮を泳ぐ南のサバ
ゴマサバは、暖流とともに生きる魚である。
黒潮に沿って南の海を好み、冬でも比較的深い場所にとどまる。
マサバよりも高温に強く、群れを作りながら沿岸を回遊する。
温暖な海に適応したその姿は、黒潮の象徴でもある。
🎨 模様 ― 背中に宿る“胡麻”の記憶
マサバの背には波模様が走るが、ゴマサバの背は斑点で覆われる。
光の加減で浮かび上がる黒い粒は、まるで夜の海の星のよう。
その模様が名の由来であり、種を見分ける目印でもある。
模様の違いは、海の記憶を映す遺伝の痕跡なのだ。
🍴 文化 ― 南の海の味わい
マサバが脂の豊かさで知られる一方、
ゴマサバはあっさりとした味わいで親しまれてきた。
九州や沖縄では刺身や味噌煮、塩焼きなど多彩に料理され、
「南の味」として食卓に根付いている。
🌙 詩的一行
黒潮の粒が、背中に模様を描いた。
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