🌾 ムギ19:二条大麦 ― ビール文化を支えた醸造用の麦 ―

ムギシリーズ

【分類】イネ科オオムギ属
【学名】Hordeum vulgare (二条系統)
【原産】中東・肥沃な三日月地帯
【特徴】二列の粒が揃う・雑味が少なく malt に最適
【利用】ビール麦芽、ウイスキー、麦焼酎、飼料
【耐性】比較的冷涼で乾燥した気候に強い

二条大麦は、ビール文化を支えてきた醸造用の特別な大麦だ。
六条大麦と比べて粒が均一に並び、苦味や雑味が出にくいため、
麦芽(モルト)として優れた品質を生み出す。

世界中の醸造所で選ばれてきた背景には、粒の揃いと味の安定性がある。


🕊️ 目次


🌾 二条大麦の特徴 ― 揃った粒が生む雑味の少なさ

二条大麦は、穂の左右に2列の粒が並ぶ。
粒が均一なため、発芽や乾燥のムラが少なく、
醸造に使ったとき雑味が出にくいという大きな利点がある。

麦芽の品質が仕上がりの味を左右するビールにおいて、
二条大麦は長く主役の座を占めてきた。


🍺 麦芽への適性 ― ビール文化の根を支える性質

二条大麦は、発芽しやすく酵素力が安定しているため、
麦芽(モルト)として理想的な性質を備えている。
発酵の基礎となる糖化の工程でも優秀で、
澄んだ味わいのビールづくりに欠かせない存在だ。

ビール文化の発展は、この品種の粒の安定性に支えられてきたと言える。


🌬 風土への強さ ― 冷涼地で発達した特性

二条大麦は、冷涼で乾燥した地域によく適応する。
ヨーロッパ北部や日本の一部地域では、
この品種の気候適性がビール文化を後押しした。

寒さに耐えながらもしっかりと結実するその性質は、
醸造用品種としての大切な価値を形づくっている。


🌙 詩的一行

澄んだ粒の奥で、麦芽の香りがゆっくりと息づいている。


▶ 次の話へ:ムギ20 ― ライ麦 ― 寒冷地で息づく強靭な穂

◀ シリーズ目次に戻る

コメント

タイトルとURLをコピーしました