モミジは、遠くから見ると静かな木だ。
高くそびえることもなく、太さを誇ることもない。
だが近づいて見ると、
幹の肌、枝の伸び方、全体のかたちに、
時間をかけてつくられた秩序が現れている。
モミジは、早く大きくなる木ではない。
その代わり、枝を整え、姿を保ちながら、
長い時間を生きる設計を選んできた。
この章では、
モミジの幹・枝・樹形がどのように形づくられているかを見ていく。
🍁 目次
🌳 1. 幹の特徴 ― 滑らかさと年輪
モミジの幹は、若木のうちは比較的滑らかで、
成長とともに浅い割れや模様が現れる。
- 樹皮:灰褐色〜暗褐色
- 表面:若木は滑らか、老木で粗くなる
- 年輪:比較的はっきり現れる
成長が早すぎないため、
年輪は詰まりすぎず、安定した木質をつくる。
この性質は、
長く姿を保つための基盤になっている。
शाख 2. 枝の伸び方 ― 水平に広がる構造
モミジの枝は、上へ強く伸びるよりも、
横方向にゆっくり広がる傾向がある。
- 分枝:細かく分かれる
- 角度:水平〜斜めに伸びる
- 枝ぶり:重なりすぎない
この枝の配置によって、
葉は互いに影をつくりすぎず、
光を分け合うことができる。
結果として、
全体が均衡した樹冠が保たれる。
🌲 3. 樹形のタイプ ― 直立と広がり
モミジの樹形は一様ではない。
種や個体、育つ環境によって、いくつかの型が見られる。
- 直立型:幹がまっすぐ立つ
- 半開帳型:上部で枝が広がる
- 枝垂れ型:枝が下向きに伸びる
自然林では、直立しつつも枝を整理した姿が多い。
庭園では、広がりや枝垂れ性が強調されることもある。
どの形であっても、
極端に密にならない点は共通している。
🧬 4. 成長速度 ― ゆっくり育つ理由
モミジは、成長の早い樹木ではない。
若木のうちは特に、伸びが緩やかだ。
- 成長:年あたりの伸びは控えめ
- 寿命:数十年〜百年規模
- 特徴:姿が崩れにくい
この遅さは不利ではない。
枝や幹に無理がかからず、
長期間、安定した形を保てる。
モミジは、
早さよりも、持続を選んだ木だ。
🍁 詩的一行
モミジは、急がないことで、形を失わずに生きている。
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