― 黄色い果皮と白いわたを一緒に食べる、南の柑橘 ―
| 分類 | ミカン科ミカン属(Citrus tamurana) |
| 和名 | 日向夏(ヒュウガナツ) |
| 英名 | Hyuganatsu |
| 分布 | 日本(宮崎県を中心に九州・四国・本州南部)/起源:宮崎で見つかった自然実生 |
| 樹高 | 2〜4m(常緑小高木) |
| 果実径 | 7〜9cm |
| 旬 | 3月〜5月(地域差あり) |
| 特徴 | 鮮やかなレモン色。果汁はさっぱり、酸は中程度。白い内果皮(わた)を甘味として活かす食べ方が特徴的。 |
| 主産地 | 宮崎県(全国シェア上位)、高知県、愛媛県など |
| 食用部位 | 果肉・白わた(生食・砂糖や塩を添える・サラダ・デザート) |
| 文化的利用 | 春の贈答・郷土菓子・砂糖漬け・ピール |
🍋目次
🌿 起源と発見 ― 宮崎に生まれた自然実生
江戸末期〜明治初頭、宮崎で偶然生まれたとされる柑橘。 文旦系の血を引くと考えられ、園内で芽ばえた実生個体が選抜されて広まった。 栽培は九州沿岸部から四国・本州南部へと拡大し、 春先に出回る黄色い果実として定着している。
🍊 果実の特徴 ― 黄色い皮と白わたの味
果皮は鮮やかな黄色。果肉は淡い色合いで、果汁はさっぱり。 糖度はおよそ10〜12度、酸は0.8〜1.2%ほど(産地・個体差あり)。 白い内果皮(アルベド)は厚く、ほろほろとやわらかい。 この白わたがわずかな甘みとふくよかな口当たりを与え、 果肉の酸味と合わせると、味がすっと整う。
🌎 栽培環境 ― 日当たりと風の管理
よく日の当たる斜面地を好み、風に弱い果梗部を守る管理が必要。 冬の寒風と春先の強風を避けるため、防風・剪定・着果量の調整を行う。 黄色い外観を保つため、日焼け防止と収穫時期の見極めが要点。 収穫後、数日おいて酸を落ち着かせると味が丸くなる。
🥢 食べ方と印象 ― 白わたを活かす
日向夏は、外皮を厚めにむいて白わたを残し、 くし形に切って果肉+白わたを一緒に食べる。 砂糖や蜂蜜を少量ふりかける食べ方、塩をひとつまみ添える食べ方もある。 白わたの甘さと果肉の酸味が重なり、 冷やすとさらにすっきりとした後味になる。
✒️ 詩的一行
白わたのやわらかさに、春の光がやさしく乗る。
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