【基礎情報】
- 分類:哺乳綱/翼手目(主にオオコウモリ科・ヒナコウモリ科の一部)
- 区分:生活型グループ(花蜜食)
- 対象:花蜜・花粉を主に利用するコウモリ類
- 英名:Nectar-feeding bats
- 学名:—(複数属・複数種を含む)
- 分布:中南米・アジア・アフリカの熱帯〜亜熱帯
- 生息環境:森林・乾燥地・サバンナ・農地周辺
- 体長:約5〜15cm
- 体重:約10〜80g
- 主な食性:花蜜・花粉(補助的に昆虫)
- 活動:夜行性
- ねぐら:洞窟・樹洞・建物の隙間
- 繁殖:多くは年1回・1産1子
- 寿命:10〜20年以上の記録あり
- 冬眠:基本的にしない(地域差あり)
- 保全:花資源減少・生息地破壊の影響を受けやすい
夜に咲く花がある。
そして、その花を訪れる動物がいる。
花蜜食コウモリは、捕食者ではない。
彼らは、花と花のあいだを飛び、 植物の生殖を支える存在として生きている。
この章では、コウモリと植物が結んできた、 静かな相互関係を見ていく。
🦇 目次
🌼 1. 花蜜を食べるという選択
花蜜食コウモリは、エネルギー源として、 花が分泌する糖分の高い蜜を利用する。
代表的な種として、次のようなコウモリが知られている。
- メキシコオオコウモリ(Leptonycteris curasoae) リュウゼツランの受粉者として有名。
- ヒメホオヒゲコウモリ類(Glossophaga属) 中南米に分布し、花蜜食に特化。
昆虫や果実よりも、 短時間で高エネルギーを得られる蜜は、 飛行生活と相性がよい。
👅 2. 花に適応した体 ― 口と舌の進化
花蜜食コウモリは、 細長い口と、よく伸びる舌を持つ。
- 舌:長く、先端に毛状構造
- 口:細く、花の奥に届く
- 効果:蜜と花粉を効率よく回収
この体のつくりは、 鳥のハチドリとも似ているが、 進化の道筋はまったく異なる。
同じ役割に、 別の体でたどり着いた例だ。
🌙 3. 夜咲く花との共進化
花蜜食コウモリが訪れる花には、共通点がある。
- 開花:夜間
- 色:白や淡色
- 香り:強く、遠くまで届く
これらの特徴は、 夜行性の受粉者に向けた設計だ。
コウモリは花粉を体につけ、 次の花へ運ぶ。
植物とコウモリは、 互いの生存を前提にした関係を築いてきた。
🌍 4. 人の暮らしとの関係 ― 失われやすい結びつき
花蜜食コウモリは、 環境変化の影響を受けやすい。
- 脅威:森林破壊・農地開発
- 影響:花の減少
- 結果:受粉ネットワークの断絶
リュウゼツランなど、 人の利用と深く結びついた植物ほど、 コウモリの存在が重要になる。
この関係が失われると、 目に見えない部分から、 生態系は崩れていく。
🌙 詩的一行
花蜜食コウモリは、夜の花に、次の実りを残してきた。
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