― 次の季節へ ―
春の森に、光が戻る。
枝の先で、小さな芽がほどける。
それは、何百年も続いてきた森の約束のかたち。
🌿 受け継がれる森
コナラの森は、いつも人とともに生きてきた。
伐られても、芽を出し、
焼けても、根から立ち上がる。
炭の煙、祈りの社、家の柱。
どの時代にも木があり、
人の暮らしの奥にその影がある。
いま、森は静かに変わっている。
かつての薪炭林は育つ人を失い、
新しい森へと姿を変えようとしている。
けれどそこに立つ一本一本は、
過去と未来をつなぐ生命の証だ。
🌳 光と再生
落葉が土をつくり、
菌がそれを分解し、
また新しい芽が生まれる。
森の命は、終わることなく続いていく。
人の手が離れても、
森は自分の力で呼吸を取り戻す。
未来の森は、
もう一度人と出会うだろう。
炭の煙ではなく、
静かな風と光の中で。
🌾 森から学ぶこと
木は急がない。
必要なときに芽を出し、
必要な分だけ葉を落とす。
人もまた、そんな呼吸を思い出すときが来ている。
森の未来は、遠い話ではない。
いま、この手の届く光の中にある。
🌙 詩的一行
森は、光の中で次の季節を待っている。
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