🌳コナラ29:森の記憶 ― 木が語る時間 ―

コナラシリーズ

― 静けさの中に残るもの ―


森には、過去が眠っている。
倒れた木の下に、古い根があり、
枯れた葉の上に、新しい芽が生まれる。
そのすべてが、森の記憶だ。


🌿 木が覚えていること

木の幹には、年輪がある。
それはただの模様ではなく、
一年ごとの光と雨、風と傷の記録。
太い年輪の年もあれば、
細く苦しい年もある。
森の一本一本が、
その土地の時間を体に刻みながら生きている。

嵐のあとに裂けた枝、
虫に食われた跡、
そこから新しい芽が出ることもある。
木は、痛みを抱えながら形を変えていく。


🌳 記憶としての森

森全体もまた、記憶の入れものだ。
倒木は土となり、
その上に新しい命が根を張る。
人が通った道、伐った木の跡、
すべてが森の層の中に残っていく。

記憶は静かに積み重なり、
やがて目には見えない形で森をつくる。
人が忘れても、木は覚えている。


🌾 木の声を聞く

木のざらついた手ざわり、
雨上がりの樹皮の匂い、
そのどれもが森の時間を語っている。
耳を澄ませば、
風の中に昔の森の音が微かに混じっている気がする。


🌙 詩的一行

森の記憶は、静けさの中に語りつづけている。


🪵→ 次の記事へ(コナラ30:森の未来 ― 光の中の約束 ―)
🪵→ コナラシリーズ一覧へ

コメント

タイトルとURLをコピーしました