日本でカタツムリは、
害虫でも、珍獣でもなく、
季節の中に現れる存在として扱われてきた。
名前を呼ばれ、歌にされ、
梅雨の気配と結びつけられる。
それは、役に立つかどうかとは別の場所で、
生活の感覚と結びついた生き物だった。
ここでは、日本の暮らしの中で、
カタツムリがどのように受け取られてきたかを見ていく。
🐌 目次
🎵 1. 童謡にあらわれるカタツムリ
日本で最もよく知られたカタツムリの姿は、
童謡の中にある。
「でんでんむしむし」。
殻を背負い、角を出し、
歌として子どもに伝えられてきた。
そこでは、
生態の正確さよりも、
動きの遅さや形のわかりやすさが重視されている。
童謡のカタツムリは、
説明される対象ではなく、
呼びかけられる存在だ。
🌧️ 2. 雨と結びつく存在
カタツムリは、
梅雨や雨の日と結びついて語られる。
これは象徴ではなく、
実際の行動と一致している。
湿度が上がると活動し、
人の目に触れる機会が増える。
そのため、
雨=カタツムリという連想が、
生活の中で自然に定着した。
🗓️ 3. 季節を測る生き物
カタツムリは、
暦の中の生き物でもあった。
田植えの頃、
梅雨入りの前後。
姿を見かけることで、
季節の移り変わりを実感する。
それは、
温度計や天気予報とは違う、
身体感覚としての季節認識だった。
🏠 4. 身近さと距離感
日本では、
カタツムリは完全に排除される存在ではなかった。
触れて観察されることはあっても、
積極的に利用されることは少ない。
近すぎず、遠すぎず。
暮らしの中に入り込みながら、
一定の距離を保たれてきた。
その距離感が、
カタツムリを「季節の生き物」として、
長く残してきた。
🌙 詩的一行
カタツムリは、雨の音と一緒に、暮らしの記憶に残っている。
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