― 渡りゆく群れ ―
冬の空を、黒い群れが北から渡ってくる。
声を重ね、風に溶けるように広がる影。
ミヤマガラス――それは旅するカラスたちの名。
寒風の中で、彼らは季節とともに生きている。
- 分類:スズメ目カラス科カラス属
- 学名:Corvus frugilegus
- 分布:冬季に日本各地へ渡来(主に本州・九州北部)。繁殖地はシベリア・モンゴルなど北方地域。
- 体長:約47cm
- 体重:約400〜600g
- 翼開長:約100cm
- 食性:雑食(昆虫、穀物、種子、小動物など)。
- 生態:冬鳥として渡来。大群で行動し、開けた農地や川原で採食する。夜は集団で塒をとる。
- 鳴き声:「ガー、ガー」と濁った声を群れで響かせる。
- 特徴:くちばしの付け根に羽がなく白く見える。群れで飛ぶ姿が壮観。
🌾目次
❄ 渡り ― 季節とともに生きる
ミヤマガラスは、秋の終わりに北の大地を離れ、
日本の田畑へと舞い降りる。
春の雪解けとともに再び北へ帰る――
彼らの旅は、季節の呼吸と重なっている。
🌾 群れ ― 絆でつながる空
数百羽にも及ぶ群れが、ひとつの意思のように動く。
仲間との距離を保ち、声で方向を伝え合う。
個でありながら群れで生きる姿は、
自然の中の“秩序ある自由”を教えてくれる。
🌍 旅 ― 北と南を結ぶ翼
シベリアの森から九州の田畑まで。
ミヤマガラスは、海を越え、風を読み、
二つの世界を往復する旅人だ。
その翼は、大地と空をつなぐ季節の橋でもある。
🌙 詩的一行
風の群れが、季節を運ぶ。
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