空を自由に飛ぶ姿からは想像しにくいが、
カモメの一生は、季節と場所に強く縛られている。
繁殖の時期、子育ての場所、若鳥の放浪、
そして成鳥としての定着。
その流れは、毎年ほぼ同じ順序で繰り返される。
カモメの生活史は、移動と定着を織り交ぜた循環でできている。
🕊️ 目次
🥚 1. 繁殖 ― 集まって子を育てる
多くのカモメは、繁殖期になると集団で繁殖地を形成する。
これをコロニーと呼ぶ。
- 繁殖期:春〜初夏
- 繁殖地:無人島、砂浜、屋上、堤防
- 巣:地面や簡単な構造物
コロニーは、安全性を高める一方で、
騒がしく、衝突も多い場所だ。
それでも集まるのは、
捕食者への警戒と情報共有という利点が大きいからである。
卵は通常2〜3個。
親鳥は交代で抱卵し、周囲を警戒する。
🐣 2. 成長 ― 巣立ちまでの時間
孵化した雛は、すぐに飛べるわけではない。
巣の周辺で親に守られながら育つ。
- 孵化直後:綿羽に覆われる
- 給餌:親が餌を運ぶ
- 巣立ち:数週間〜1か月以上
この期間、雛は非常に無防備だ。
そのため、親鳥は激しく鳴き、
集団で侵入者を追い払う。
巣立ち後もしばらくは、
親の近くで飛び方や採餌を学ぶ。
🧭 3. 若鳥の時代 ― さまよう年月
カモメの生活史で特徴的なのが、
若鳥の長い放浪期間だ。
多くの種では、成鳥の羽色になるまでに数年を要する。
その間、若鳥は繁殖に参加せず、各地を移動する。
- 羽色:斑模様で個体差が大きい
- 行動:群れに混ざり学習
この時期に、
餌場の見つけ方、人との距離、
危険の回避を身につけていく。
放浪は、無駄な時間ではない。
成鳥として定着するための準備期間なのだ。
⏳ 4. 寿命 ― 長く生きる海辺の鳥
カモメは、見た目以上に寿命が長い鳥である。
- 平均寿命:10〜20年
- 長寿記録:30年以上の例も
毎年繁殖を繰り返し、
同じ場所に戻る個体も多い。
長寿であることは、
環境の変化を経験し、対応していく力を意味する。
カモメの生活史は、
短距離の成功ではなく、長い継続を前提にしている。
🌊 詩的一行
カモメは、急がずに育ち、長く使える時間を選んできた。
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