🐸 カエル14：世界のカエル多様性 ― 森・砂漠・樹上をめぐる姿の広がり ―

― 雨の森に響く高い声、乾いた砂地で土にもぐって待つ影、夜の樹上を静かに移動する小さな足音。世界には7000種を超えるカエルがいて、その姿は地域と環境ごとに大きく異なる。湿り気を求めるもの、乾燥に耐えるもの、毒を武器にするもの――その多様さは地球の環境そのものの豊かさを映している。

🐸目次

熱帯は世界で最もカエルの種類が多く、赤・青・黄色など鮮やかな体色をもつ種が多い。とくに毒をもつヤドクガエル類は知られており、強い色彩は敵への警告にもなっている。

熱帯のカエルは、湿り気の豊富な環境を背景に多様な姿へと分かれ、地球上で最も大きな“カエルの森”を形成している。

乾燥地帯では、カエルは長い期間を土の中で過ごす。雨季がわずかしかない地域では、雨が降った瞬間に地表へ現れ、一斉に繁殖する種もいる。

気候が厳しい分、行動は短期集中型で、わずかな湿りが生命の鍵になる。

世界には樹上で生活する種、水面を滑るように移動する種、さらには体の一部を使って風に乗る「グライダー型」までいる。

同じ“カエル”でも、高さ・水・風など異なる環境を巧みに利用して生きている。

カエルは世界各地で文化と強く結びついている。豊穣・雨・再生の象徴として扱われる地域が多く、民話や宗教、芸術にも頻繁に登場する。

環境が違っても、カエルが“水と季節”の象徴であることは共通している。

世界の湿り気に寄り添う影たちが、それぞれの森と空の下で静かに息をしている。