🐬 イルカ6:食性と狩り ― 協力と個が交差する捕食 ―

イルカが泳ぐ姿は、軽やかに見える。
だがその動きの多くは、遊びではない。

海の中で生きるということは、
自分より小さな生き物を、確実に食べ続けるということだ。

イルカは、狩りを前提に設計された捕食者である。
この回では、イルカが何を食べ、どのように獲物を得ているのかを、 感情や物語を離れて見ていく。

🐬 目次

🐟 1. イルカの主な食べ物

イルカの食性は、基本的に肉食だ。
主な獲物は、魚類と頭足類(イカ・タコ)である。

種や地域によって、食べるものは変わる。

  • 沿岸性のイルカ:小魚、底生魚、甲殻類
  • 外洋性のイルカ:群れで泳ぐ魚、イカ類
  • 川のイルカ:淡水魚、甲殻類

イルカは歯を使って獲物を噛み切らない
捕らえ、口に入れ、丸のみする。
歯は、切るためではなく、逃がさないための道具だ。

🎯 2. 単独での狩り ― 個の判断

すべての狩りが、群れで行われるわけではない。
特に沿岸や複雑な地形では、単独での狩りが有効な場面も多い。

岩陰、砂底、藻場。
獲物が隠れやすい場所では、
反響定位で位置を探り、短距離で一気に仕留める。

単独での狩りでは、
タイミング、角度、距離の判断がすべて自分に委ねられる。

イルカは、常に群れに頼る捕食者ではない。
個として完結する能力も、はっきり備えている。

🤝 3. 協力捕食 ― 群れで成り立つ狩り

一方、外洋や魚群が大きい環境では、
協力捕食が力を発揮する。

複数の個体が役割を分担し、
獲物を追い込み、密度を高め、逃げ道を塞ぐ。

  • 魚群を円形に囲い込む
  • 下から追い上げ、上へ逃がさない
  • 順番に突入して捕食する

このとき重要なのは、
全員が同じ動きをすることではない。

位置、速度、進入の角度。
それぞれが微妙に異なる判断を重ねることで、 群れとしての狩りが成立する。

🧠 4. 狩りの柔軟性 ― 環境で変わる戦略

イルカの狩りに、固定された型はない。
同じ種でも、地域が違えば方法が変わる。

これは、「文化」と呼ばれることもある。
だが本質は、環境への適応の積み重ねだ。

水深、濁り、獲物の種類、人間の存在。
条件が変われば、最適な狩り方も変わる。

イルカは、 賢いから狩れるのではない。
変え続けてきたから、生き残ってきた

🌙 詩的一行

イルカは、ひとりでも群れでも、食べるために動いている。

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