🐬 イルカ10:寿命と死 ― 漂着が語る現実 ―

海にいる限り、イルカの死は見えにくい。
沈み、流され、跡を残さないことも多い。

それでも、浜に打ち上げられたとき、 私たちは初めて、 イルカの「終わり」を現実として目にする

この回では、 寿命という時間と、 死がどのように現れるのかを、 感情を抑えて見ていく。

🐬 目次

⏳ 1. イルカの寿命 ― 長さと幅

イルカの寿命は、種によって差がある。
小型の種では20年ほど、 大型の種では40年以上生きることもある。

だがこれは、 生ききれた場合の話だ。

野生では、 幼少期に命を落とす個体も多い。
生まれて数年を越えられるかどうかが、 ひとつの分かれ目になる。

寿命とは、 保証された時間ではなく、 条件がそろった結果にすぎない。

⚠️ 2. 死因 ― 野生のリスク

イルカの死因は、 老衰だけではない。

  • 病気や寄生虫
  • 捕食や衝突による負傷
  • 食物不足
  • 人間活動による事故

網にかかる。
船と接触する。
音の変化で方向感覚を失う。

それらは、 自然死とは区別できない形で起きる。

野生で生きるということは、 常に複数のリスクと並走することだ。

🏖️ 3. 漂着 ― 死が可視化されるとき

浜に打ち上げられたイルカは、 例外的な存在だ。

本来、 死は海の中で完結する。
漂着は、 その過程が偶然、陸に現れただけだ。

それでも漂着は、 多くの情報を残す。

年齢、栄養状態、 傷や病変。
死体は、 生きてきた条件の記録になる。

🌊 4. 死が示す環境

漂着が増えるとき、 そこには背景がある。

水質の変化。
餌生物の減少。
海中の騒音。

イルカの死は、 個体の問題で終わらない。

それは、 その海がどうなっているかを 映す現象でもある。

イルカは、 環境の変化を言葉で訴えない。
ただ、結果として現れる。

🌙 詩的一行

イルカの死は、海の状態を黙って示している。

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