🐗イノシシ4:ニホンイノシシ

イノシシシリーズ

― 森の古き民 ―

落葉が湿る朝、褐色の影が藪をわける。匂いを読み、静かに土を掘る。本州の森に古くからいる住人。


🌾目次


📘 基礎情報(記録)

  • 分類: 哺乳綱 ウシ目(偶蹄目) イノシシ科
  • 学名: Sus scrofa leucomystax(ニホンイノシシ)
  • 分布: 本州・四国・九州(自然分布)。※北海道は自然分布ではない。
  • 体長・体重: 体長 約120–160cm/体重 ♂50–120kg・♀40–90kg(地域差あり)
  • 体色: 褐色~灰褐色。季節で濃淡が変化。
  • 食性: 雑食(堅果・根・地下茎・果実・昆虫・ミミズ等)
  • 繁殖: 主に冬季に発情・交尾、妊娠約115–120日、春に3–6頭出産
  • 活動: 薄明薄暮~夜行性傾向、藪を好む
  • 冬眠: なし
  • 保全状況: LC相当(地域での扱いは異なる)
  • 備考: 外来系統やブタとの交雑個体が各地で報告

🌱 姿(形態)

胴は太く低重心、脚は短く筋肉質。鼻先の鼻盤は硬く、掘削に適応する。
犬歯(牙)は特にオスで発達し前方へ湾曲、こすれ合いで鋭く保たれる。
被毛は粗く、冬は密で厚い。仔は縞模様(ウリ坊)。


🌿 生態(暮らし)

ドングリやクリなどの堅果が多い年は森林内で完結し、凶作年には移動域が広がる。
鼻で土を掘り、地下の根や虫を探る行為は、表土を撹拌し微地形を生む。
群れは母系が中心。警戒は嗅覚と聴覚に依存し、風向きを読む移動が多い。


🔥 関わり(文化・歴史)

農の歴史と近く、狩猟・供養・食文化に深く関わってきた。本州以南の里山では、
耕作地との境界が古くからの課題。近年は交雑・個体数変動と合わせて地域対策が進む。


🌙 詩的一行

古い森の匂いをまとい、いまも土を新しくする。


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