ホタテの生活は、静かだ。
だがその静けさは、
常に安全であることを意味しない。
海底には、
ホタテをゆっくりと、しかし確実に追い詰める存在がいる。
ヒトデだ。
速さはない。
鋭い歯もない。
それでも、ホタテにとっては、
もっとも現実的な捕食者である。
🦪 目次
⭐ 1. ホタテの天敵とは何か
ホタテの天敵は、
成長段階によって異なる。
- 幼生期:魚類・クラゲ類・他のプランクトン捕食者
- 稚貝期:カニ類・小型魚類
- 成体:ヒトデ類
成体のホタテにとって、
殻を割って捕食する魚は多くない。
その代わり、
殻を開かせる捕食者が問題になる。
ヒトデは、
その代表的な存在だ。
🪸 2. ヒトデという捕食者
ヒトデは、
腕で獲物を包み込み、
じわじわと殻を開かせる捕食者である。
吸盤で殻を引き、
わずかな隙間を作ると、
そこから胃を反転させ、
体外消化を行う。
この方法は時間がかかる。
だが、逃げない獲物に対しては、
極めて確実だ。
ホタテは、
この「時間をかける捕食」に、
正面から耐えることができない。
👁️ 3. 気づく力 ― 逃げる前段階
ホタテが生き延びるために重要なのは、
殻の強さだけではない。
殻の縁に並ぶ多数の眼点は、
ヒトデの影や、
水の流れの変化を捉える。
- 感知:影・動き・接近
- 役割:早期警戒
ヒトデに触れられてからでは遅い。
近づかれる前に気づくことが、
逃げるための前提条件になる。
💨 4. 防御行動 ― 逃げるという選択
危険を察知したホタテは、
殻を素早く閉じ、
水を噴き出して移動する。
これは、
殻に守られる防御ではなく、
距離を取る防御だ。
- 方法:ジェット推進による遊泳
- 目的:捕食者の腕が届かない距離へ
- 結果:完全回避ではなく、生存確率の上昇
ホタテは、
ヒトデを倒さない。
殻で耐え切ろうともしない。
ただ、離れる。
その一点に、
防御戦略は集約されている。
🌊 詩的一行
ホタテは、戦わず、距離を取ることで生き延びてきた。
🦪→ 次の記事へ(ホタテ9:生息環境 ― 水温・海流・海底)
🦪← 前の記事へ(ホタテ7:食性と濾過)
🦪→ ホタテシリーズ一覧へ
コメント