🦪 ホタテ10:ホタテガイ ― 日本の標準種 ―

ホタテシリーズ
  • 和名:ホタテガイ(帆立貝)
  • 英名:Yesso scallop
  • 学名:Mizuhopecten yessoensis
  • 分類:軟体動物門/二枚貝綱/イタヤガイ目/イタヤガイ科(Pectinidae)
  • 分布:北太平洋の冷涼域(日本では主に北海道周辺)
  • 生息環境:沿岸〜沖合の海底(砂礫・砂泥)
  • 食性:濾過摂食(主に植物プランクトン)
  • 特徴:発達した貝柱/殻縁の多数の眼点/必要時に遊泳

日本で「ホタテ」と言うとき、
多くの場合、それはホタテガイを指している。

市場で見かける貝柱。
浜で干される殻。
そして、北の海と結びついた風景。

ホタテガイは、
日本の海で標準として成立したホタテだ。

🦪 目次

🦪 1. ホタテガイという種

ホタテガイ(Mizuhopecten yessoensis)は、
イタヤガイ科の中でも、
寒冷域に適応した大型種として知られる。

自然分布は北太平洋沿岸。
日本では北海道周辺が中心で、
水温の低い海で安定した個体群を形成してきた。

現在、日本で流通するホタテの大部分は、
この種に由来する。

🪨 2. 形態の特徴 ― 殻と貝柱

ホタテガイの殻は、
放射状の肋がはっきりとした扇形をしている。

殻は比較的軽く、
閉殻筋――いわゆる貝柱がよく発達する。

  • 殻:放射肋が明瞭で、開閉しやすい
  • 貝柱:瞬発的な収縮に適した筋肉

この組み合わせが、
ホタテガイに「泳ぐ能力」を残した。

大きく成長しながらも、
逃げるための機能を失わなかった点が、
この種の特徴だ。

🌊 3. 分布と環境への適応

ホタテガイは、
冷涼で、流れのある海を好む。

プランクトンが安定して供給され、
溶存酸素が豊富な環境で、
成長は最も順調に進む。

高水温や水質の悪化には弱く、
環境変化の影響を受けやすい。

そのため、
ホタテガイの分布や生産量は、
海の状態を映す指標としても扱われる。

🧭 4. 「標準種」としての意味

ホタテガイが「標準」とされるのは、
数が多いからではない。

生態・形態・利用のすべてにおいて、
ホタテという生き物の性質を、最も分かりやすく示すからだ。

泳ぐ。
濾過する。
冷たい海に立つ。

そのすべてが、
ホタテガイという一種の中に、
無理なく収まっている。

だからこそ、
ホタテを語るとき、
この種は基準点になる。

🌊 詩的一行

ホタテガイは、日本の海が育てた、ひとつの基準である。

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