🦐 エビ(海)7:環境と分布 ― 浅海から深海まで ―

エビは、特定の場所だけに棲む生き物ではない。潮の満ち引きがある浅い海から、光の届かない深海まで、その姿は広く分布している。

砂の上、泥の中、岩の隙間。環境が変われば、体の大きさや色、行動も変わる。

共通しているのは、海底という生活圏に適応してきたことだ。エビは、環境に合わせて棲み分けることで、多くの居場所を確保してきた。

ここでは、エビがどこに棲み、なぜそこに定着できたのかを見ていく。

🦐 目次

🏖 1. 浅海のエビ ― 人の目に近い場所

多くのエビは、沿岸の浅い海に棲んでいる。水深が浅く、餌が豊富なため、生き物の密度が高い。

  • 水深:数メートル〜数十メートル
  • 特徴:光が届く
  • 代表:クルマエビ類など

浅海では、藻類や小動物が多く、隠れ場所も豊富だ。一方で、捕食者も多いため、夜行性や擬態といった行動が発達している。

人の暮らしに最も近いのが、この浅海のエビたちである。

🪨 2. 海底の環境 ― 砂・泥・岩礁

エビは、海底の性質に応じて棲み分けている。

  • 砂底:潜って隠れる
  • 泥底:有機物が多い
  • 岩礁:隙間を利用

砂や泥の底では、体を埋めて身を隠す種が多い。岩礁では、割れ目や洞のような場所を住処にする。

底質の違いは、エビの体形や行動にも影響を与えている。

🌑 3. 深海のエビ ― 光のない世界

水深数百メートルを超える深海にも、エビは棲んでいる。

  • 光:ほぼ届かない
  • 温度:低い
  • 餌:沈降物が中心

深海のエビは、成長が遅く、寿命が長い傾向がある。色は赤や白が多く、光のない環境に適応している。

ここでは、漂ってくる有機物を利用することが、生きる基本となる。

🗺 4. 分布を広げる仕組み ― 流され、定着する

エビが広い範囲に分布できる理由のひとつは、幼生期の生活にある。

  • 幼生:浮遊性
  • 移動:潮流に依存
  • 結果:分布の拡大

ゾエアやミシスの段階で海を漂うことで、新しい環境にたどり着く可能性が生まれる。

流され、たどり着いた場所で定着する。この繰り返しが、現在の分布を形づくってきた。

🌙 詩的一行

底の違いが、棲み分けという形になって残る。

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