🦐 エビ(海)6:食性と捕食 ― 雑食という生き方 ―

エビは、特定の餌だけを追いかける生き物ではない。海底を歩きながら、目についたもの、触れたものを確かめ、口に運ぶ。

生きた獲物を捕まえることもあれば、死骸や落ちてきた有機物を食べることもある。その柔軟さが、さまざまな環境で生き延びる力になってきた。

雑食であることは、目立たないが確実な戦略だ。限られた資源を奪い合うのではなく、残されたものを利用する。

ここでは、エビが何を食べ、どのように捕食しているのかを見ていく。

🦐 目次

🍽 1. 何を食べるのか ― 幅広い食性

海のエビは、基本的に雑食性である。植物片、動物の死骸、小さな無脊椎動物、プランクトンなどを口にする。

  • 植物:藻類・海草のかけら
  • 動物:小型生物・死骸
  • 有機物:沈降物

特定の餌に依存しないことで、環境が変わっても生き延びやすい。

この幅広さが、浅海から深海まで分布できる理由のひとつだ。

🦵 2. 餌の取り方 ― 掴み、裂き、運ぶ

エビは、脚を使って餌を扱う。前方の脚や顎脚で餌を掴み、口元へと運ぶ。

  • 使用部位:顎脚・歩脚
  • 動作:掴む・裂く
  • 特徴:細かな操作が可能

硬い殻や繊維質の餌も、少しずつ削るように食べる。

力よりも、手数で処理するのがエビのやり方だ。

🧹 3. 腐食と掃除 ― 海底の片づけ役

エビは、死骸や沈殿した有機物を食べることで、海底の環境を保つ役割を担っている。

  • 役割:分解の初期段階
  • 対象:死骸・落下物
  • 影響:腐敗の抑制

目立たないが、この働きがなければ、海底には不要な有機物が溜まりやすくなる。

エビは、食べることで環境を整えている。

🎯 4. 捕食される側として ― 食べられる前提

エビは捕食者でもあるが、同時に多くの生き物に食べられる存在だ。

  • 捕食者:魚類・タコ・鳥類
  • 対策:隠れる・夜行性
  • 戦略:数で補う

食べられることを前提に、多く産み、多く成長する。これもまた、生態系の中での役割だ。

エビは、食べ、食べられる位置に立っている。

🌙 詩的一行

残されたものを口にして、海は静かに片づいていく。

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