🦡 イタチ14:テン ― 樹上に適応した近縁 ―

  • 分類:哺乳類・食肉目・イタチ科
  • 学名:Martes melampus
  • 原産:日本列島
  • 分布:本州・四国・九州
  • 体長:約45〜55cm(尾を含む)
  • 体重:約1〜2kg
  • 食性:小型哺乳類・鳥類・昆虫・果実
  • 生息環境:森林、山地、樹林帯
  • 活動時間:主に夜行性・薄明薄暮性
  • 保全状況:地域により個体数減少が指摘される

イタチ科の中で、
地表を離れ、立体的な世界を選んだ動物がいる。
それがテンだ。

細長い体という基本構造を保ちながら、
テンは、木に登ることを前提にした生き方を選んだ。
それは、イタチ科の中でも明確な分岐点にあたる。

テンは、里山よりも深い森林を使い、
地面と樹上を行き来しながら生活している。
この回では、その「高さ」を手に入れた生き方を見ていく。

🦡 目次

🌲 1. 樹上に広がる生活圏

テンは、地表だけで生きる動物ではない。
倒木の上、枝の分かれ目、樹洞。
生活圏は、上下方向に広がっている。

地上では見つかりにくい餌や休息場所が、
樹上には残っている。
テンは、それを利用できる位置にいる。

この立体的な行動範囲が、
他のイタチ類との競合を減らしている。

🦶 2. 木登りに適した体のつくり

テンの体は、イタチ類よりがっしりしている。
脚は比較的長く、
爪は曲がり、枝をつかみやすい。

尾は長く、
バランスを取る役割を果たす。
地面を走るだけでなく、
枝の上を移動するための設計だ。

それでも基本は、イタチ科の構造を保っている。
細長さと柔軟性は、
樹洞や倒木の隙間でも活きる。

🍎 3. 食性の広がり ― 果実を食べるイタチ科

テンの食性は、イタチ科の中でも特に幅が広い。
小動物だけでなく、果実を積極的に利用する

秋には、柿や木の実を食べる姿が見られる。
これは、樹上生活と強く結びついている。

果実を食べることで、
季節的な餌不足を乗り越え、
行動範囲を維持する。

テンは、捕食者でありながら、
森林の種子散布に関わる存在でもある。

🌙 4. 森の中での立ち位置

テンは、森林生態系の中で、
中間的な捕食者として位置づけられる。

小動物を捕らえ、
一方で大型捕食者からは狙われる。
その間に立つ存在だ。

樹上を使うことで、
地表だけの競争から少し距離を取り、
独自の居場所を築いてきた。

テンの生き方は、
イタチ科が持つ柔軟性のひとつの答えだ。

🦡 詩的一行

テンは、地面を離れたことで、森の高さを手に入れた。

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