🟦 カワセミ6:食性と狩り ― 飛び込みという一点突破 ―

水面の上で、カワセミは長く動かない。
だが、その静止は、迷いではない。

獲物の位置、距離、動き。
すべてが揃った瞬間だけ、体は落ちる。

カワセミの狩りは、回数を重ねるものではなく、
一度で決めることを前提に組み立てられている。

この章では、
カワセミが何を食べ、どのように捕らえているのかを、
行動の流れに沿って見ていく。

🟦 目次

🐟 1. 主な食性 ― 魚を中心とした捕食

カワセミの主な餌は、小魚だ。
水中で目視でき、丸呑みできる大きさのものが選ばれる。

  • 主食:小魚(オイカワ、モツゴなど)
  • 補助的:エビ類、水生昆虫、オタマジャクシ
  • 条件:水中で位置が確認できること

獲物の種類は環境によって変わるが、
共通しているのは、視覚で捕らえられる獲物であることだ。

濁りが強くなると、
たとえ魚がいても、狩りは成立しない。

🎯 2. 待ちの時間 ― 狩りは止まることから始まる

カワセミの狩りは、飛ぶことから始まらない。
止まることから始まる。

枝や杭の上で、水面を見下ろしながら、
長い時間、姿勢を変えずに待つ。

  • 姿勢:水面を見下ろす位置
  • 視線:獲物の動きを追う
  • 判断:成功率が高い瞬間のみ選択

この待ちの時間に、
飛び込みの角度と距離は、ほぼ決められている。

動かないことは、
カワセミにとって、最も重要な狩りの一部だ。

💧 3. 飛び込み ― 一瞬で水に入る

飛び込みは、直線的に行われる。
途中で方向を変えることはない。

嘴を前に、体を一直線に伸ばし、
水面へと落ちる。

  • 角度:浅すぎず、深すぎない
  • 姿勢:頭から入水
  • 時間:水中にいるのは一瞬

水中での動きは最小限だ。
泳ぐのではなく、掴むために入る

飛び込みは、
狩りの全工程の中で、最も短い。

🪶 4. 捕らえたあとの行動 ― 向きを整える

魚を捕らえると、
カワセミはすぐに空中へ戻る。

そのまま飲み込むことは少なく、
多くの場合、枝の上で行動が続く。

  • 処理:魚の向きを整える
  • 理由:鱗やヒレが引っかからないようにする
  • 方法:枝に打ちつけることもある

特に大きめの獲物の場合、
何度か打ちつけてから、頭から飲み込む。

この一連の動作は、
狩りの失敗を防ぐための最終工程だ。

🐟 詩的一行

カワセミの狩りは、動かない時間によって支えられている。

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