夏のモミジは、目立たない。
赤もなく、花もなく、ただ青い葉を広げている。
だがこの時期こそ、モミジは最もよく働いている。
葉を重ね、光を受け、枝の下に涼しさをつくる。
夏は、成長と維持の季節だ。
秋の色を準備する前に、一年分のエネルギーを確保する時間でもある。
この章では、
夏のモミジがどのように葉を使い、環境に応えているかを見ていく。
🍁 目次
🌿 1. 青葉の役割 ― 光を受ける季節
夏のモミジの葉は、厚みが増し、緑が濃くなる。
葉緑体が十分に発達し、光合成の効率が高まる。
- 葉色:濃緑色
- 状態:葉が成熟し安定
- 働き:光合成による糖の生産
この時期に蓄えられた糖は、
枝や幹、根に送られ、秋以降の変化を支える。
夏は、
目立たないが不可欠な季節だ。
🌤 2. 日陰をつくる ― 樹冠の働き
モミジの枝と葉は、密になりすぎない。
適度な隙間を保ち、柔らかな日陰をつくる。
- 葉の配置:重なりすぎない
- 枝ぶり:水平に広がる傾向
- 効果:直射日光を和らげる
この日陰は、地表の温度上昇を抑え、
下草や土壌の乾燥を防ぐ。
人が感じる涼しさも、
樹冠の構造が生み出している。
💧 3. 水と葉 ― 蒸散による調整
夏のモミジは、多くの水を使う。
葉の裏にある気孔から、水分が放出される。
- 蒸散:葉から水分を放出
- 効果:葉温の上昇を抑える
- 条件:十分な土壌水分が必要
蒸散は、冷却と物質輸送を同時に担う。
水の流れが止まると、葉は弱りやすくなる。
そのため、モミジは、
夏の乾燥に敏感な木でもある。
🧬 4. 夏を越える ― 高温への耐え方
近年、夏の高温はモミジにとって厳しい条件になっている。
葉焼けや早期落葉が起こることもある。
- 高温:光合成効率の低下
- 乾燥:葉の縁から傷む
- 影響:秋の紅葉が鈍る場合も
モミジは、極端な暑さに強い木ではない。
それでも、葉を更新せず、今ある葉で夏を耐える。
夏を無事に越えることが、
秋の色につながる前提条件になる。
🍁 詩的一行
夏のモミジは、色を持たずに、役割を果たしている。
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