- 和名:ゼニガタアザラシ
- 英名:Harbor seal
- 学名:Phoca vitulina
- 分類:食肉目/鰭脚類/アザラシ科
- 分布:北太平洋・北大西洋の沿岸域
- 生息環境:寒冷沿岸・内湾・岩礁域
- 体長・体重:約130〜170cm/70〜120kg
- 食性:魚類(底生魚を含む)・甲殻類
- 繁殖:出産期:初夏(陸上・干潟)/授乳期間:数週間
- 潜水・行動:浅〜中深度潜水・沿岸定着型
- 寿命:約20〜30年
- 保全状況:IUCN:LC(低懸念)
- 日本での観察:北海道東部(定着個体群あり)
同じ海に、長くいる。
それが、ゼニガタアザラシの最大の特徴だ。
回遊を基本とする多くのアザラシの中で、特定の沿岸にとどまり続けるという、少数派の生き方を選んでいる。
体表の模様が銭のように見えることから、この名がついた。だが、その見た目よりも重要なのは、環境との距離感だ。ゼニガタアザラシは、流氷に強く依存せず、沿岸という変化の多い場所で生きる力を磨いてきた。
🦭 目次
🪨 1. 沿岸にとどまる ― 定着型の生活
ゼニガタアザラシは、広く移動するよりも、限られた沿岸域を繰り返し使う傾向が強い。
- 利用環境:岩礁・干潟・浅海
- 行動:同じ休息場所に戻る
- 利点:地形と餌を把握できる
慣れた場所を使い続けることで、無駄な探索を減らし、狩りの成功率を高める。定着は、慎重な生存戦略でもある。
🎯 2. 底を使う狩り ― 食性の特徴
この種は、底生魚や甲殻類を多く利用する。
- 主な餌:カレイ類・ハゼ類
- 狩り場:海底・岩礁周辺
- 方法:低速で探る
速さよりも、地形を読む力が求められる狩りだ。沿岸に適応した体と感覚が、この食性を支えている。
🌊 3. 日本での少数性 ― なぜ珍しいのか
日本で確認されているゼニガタアザラシの個体群は、きわめて限られている。
- 分布:北海道東部に集中
- 個体数:少数・局地的
- 要因:適した沿岸環境の限定
沿岸利用が前提のため、人為的影響を受けやすい。定着型であることが、そのまま脆さにもつながっている。
🧭 4. 人との距離 ― 近さと脆さ
ゼニガタアザラシは、人の活動圏と重なりやすい。
- 問題:漁業との摩擦
- 影響:生息地の改変
- 対応:保全と共存の試み
遠くへ逃げないという選択は、環境が安定してこそ成り立つ。人との距離の取り方が、この種の将来を左右している。
🌙 詩的一行
ゼニガタアザラシは、同じ場所に残ることで、生き方を磨いてきた。
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