🦐 エビ(海)16:オキアミ ― 海を支える量の生き物 ―

海には、目立たないが欠かすことのできない生き物がいる。オキアミは、その代表だ。

一匹一匹は小さく、食卓に直接並ぶことも少ない。だが、その数は膨大で、海の生態系を下から支えている。

魚も、クジラも、鳥も、多くの生き物がオキアミを食べて生きている。オキアミは「主役」ではないが、舞台そのものを成り立たせる存在だ。

ここでは、量としての生き物であるオキアミを見ていく。

【基礎情報】

  • 和名:オキアミ
  • 別名:磯海老(地域名)
  • 英名:Krill
  • 学名:Euphausiacea目 各種
  • 分類:節足動物門/甲殻亜門/軟甲綱/オキアミ目
  • 分布:世界の海(特に寒冷域に多い)
  • 主な生息環境:外洋の中層
  • 水深:日中は深層、夜間は表層
  • 体長:数cm前後
  • 食性:植物プランクトン・微小動物
  • 繁殖:外洋で産卵・浮遊幼生
  • 特徴:大群を形成する
  • 人との関わり:水産飼料・健康食品
  • 保全・注意点:過剰漁獲と気候変動の影響

🦐 目次

🌊 1. オキアミとは何か ― エビに似た別の系統

オキアミは見た目こそエビに似ているが、分類上は十脚目ではなく、オキアミ目に属する。

  • 系統:オキアミ目
  • 違い:脚の構造
  • 位置:甲殻類の別系統

この違いは小さく見えるが、生態や役割には大きな差を生んでいる。

🐟 2. 食物連鎖の要 ― 多くに食べられる存在

オキアミは、多くの海洋生物の餌となる。

  • 捕食者:魚類・クジラ・鳥類
  • 位置:中間層
  • 役割:エネルギーの橋渡し

植物プランクトンを食べ、それを大型生物へとつなぐ。この役割がなければ、海のエネルギー循環は成立しない。

🔁 3. 群れと日周移動 ― 量としての戦略

オキアミは巨大な群れを作り、昼夜で水深を変える。

  • 昼:深い層
  • 夜:表層
  • 利点:捕食回避と摂食

数が多いこと自体が、防御であり、生存戦略でもある。

🏭 4. 人との関係 ― 利用と影響

オキアミは、人にも利用されてきた。

  • 用途:飼料・サプリメント
  • 価値:オメガ3脂肪酸
  • 課題:資源管理

過剰な利用は、食物連鎖全体に影響を及ぼす可能性がある。

🌙 詩的一行

見えない数が、海を支えている。

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