🦐 エビ(海)11:ブラックタイガー ― 人が育てた巨大エビ ―

エビ(海)シリーズ

スーパーや飲食店で最もよく見かけるエビのひとつが、ブラックタイガーである。大きく、身が締まり、安定して流通する。

その存在は、自然の海というより、人の管理のもとにある海と強く結びついている。ブラックタイガーは、人の手によって世界中へ広がったエビだ。

だがこのエビも、もとは沿岸の海に棲む一種のエビにすぎなかった。養殖という技術が、その立場を大きく変えた。

ここでは、ブラックタイガーというエビが、どのような生き物であり、どのように人と結びついてきたのかを見ていく。

【基礎情報】

  • 和名:ウシエビ(一般名:ブラックタイガー)
  • 別名:ブラックタイガープラウン
  • 英名:Black tiger prawn
  • 学名:Penaeus monodon
  • 分類:節足動物門/甲殻亜門/軟甲綱/十脚目/クルマエビ科
  • 分布:インド太平洋原産(現在は世界各地)
  • 主な生息環境:沿岸の砂泥底・汽水域
  • 水深:浅海域中心
  • 体長:成体で20〜30cm前後
  • 食性:雑食
  • 繁殖:海で産卵、幼生期は汽水域を利用
  • 特徴:大型・黒い縞模様
  • 人との関わり:養殖・世界的流通
  • 保全・注意点:養殖による環境負荷・疾病問題

🦐 目次

🌊 1. 本来の棲み場所 ― 沿岸と汽水域

ウシエビは、もともとインド太平洋の沿岸域に棲むエビである。

  • 環境:浅海・河口周辺
  • 特徴:汽水域を利用
  • 行動:底生中心

幼生期から若い個体は汽水域を利用し、成長とともに海へ戻る。この生活史が、養殖に適していた。

🦐 2. 体の特徴 ― 大型化したエビ

ブラックタイガーは、エビ類の中でも大型になる。

  • 体形:太く、重量感がある
  • 模様:黒い縞
  • 身:弾力が強い

この大きさと成長速度が、商業的価値を高めてきた。

🏭 3. 養殖という転換点

20世紀後半、ブラックタイガーは養殖技術の確立によって、急速に生産量を増やした。

  • 方法:池・沿岸施設
  • 利点:大量生産
  • 課題:病気・環境負荷

養殖は安定供給を可能にした一方、疾病の流行や水質悪化といった問題も生んだ。

🌍 4. 世界に広がったエビ

ブラックタイガーは、今や世界中で消費されている。

  • 流通:冷凍・加工
  • 用途:外食・加工食品
  • 位置:日常のエビ

かつては特別だった大きなエビは、日常的な存在へと変わった。

それは、人がエビの生き方を変えた結果でもある。

🌙 詩的一行

海から離れた場所で、このエビは増えていった。

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