🌿 基礎情報
- 分類:イネ科 タケ亜科 マダケ属
- 和名:ハチク(淡竹)
- 学名:Phyllostachys nigra var. henonis
- 分布:原産:中国/日本各地に古くから定着
- 生育環境:里山・河岸・集落周辺
- 高さ:10〜15m前後
- 稈径:5〜8cm前後
- 地下茎:走出型(拡大は比較的穏やか)
- タケノコ:初夏・えぐみが少ない
- 用途:竹細工・農具・日用品
- ポイント:軽く、扱いやすい生活密着型の竹
春の盛りを過ぎ、初夏の気配が近づくころ、静かに地面を割って現れるタケノコがある。ハチクの芽は、モウソウチクほど勢いよくはないが、遅れて出てくる分、えぐみが少ない。
ハチクは、目立たないが確実に使われてきた竹だ。太すぎず、重すぎず、日々の作業にちょうどよい。その「ほどよさ」が、この竹の価値をつくっている。
🎐目次
- 🌿 1. ハチクとはどんな竹か ― 軽く、淡い姿
- 🏞️ 2. 生育と性質 ― 穏やかな更新
- 🍃 3. 人との関係 ― 初夏のタケノコと日用品
- 🔎 4. マダケとの違い ― 並べて使われた竹
- 🌙 詩的一行
🌿 1. ハチクとはどんな竹か ― 軽く、淡い姿
ハチクの稈は、やや白みを帯びた緑色をしている。全体に軽やかで、林に立つ姿も明るい。
- 質感:軽く、薄い。
- 色:淡い緑。
- 印象:風通しのよい竹林。
重さを感じさせない佇まいは、竹林全体の雰囲気をやわらかくする。
🏞️ 2. 生育と性質 ― 穏やかな更新
ハチクも走出型地下茎を持つが、拡大力は強くない。
- 更新:ゆっくり。
- 管理:放置でも急拡大しにくい。
- 適地:人里近く。
人の生活圏と衝突しにくい性質が、長く共存できた理由でもある。
🍃 3. 人との関係 ― 初夏のタケノコと日用品
ハチクのタケノコは、モウソウチクより遅れて出る。
- 旬:5〜6月。
- 味:えぐみが少ない。
- 用途:煮物・炒め物。
稈は、軽さを活かして農具や日用品に使われてきた。力仕事より、手仕事に向く竹だ。
🔎 4. マダケとの違い ― 並べて使われた竹
ハチクとマダケは、用途に応じて使い分けられてきた。
- 太さ:マダケ > ハチク。
- 軽さ:ハチクが上。
- タケノコ:時期が異なる。
二つの竹が並ぶことで、里山の利用は一年を通して続いた。
🌙 詩的一行
ハチクは、暮らしの手のひらに収まる。
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