🎐 タケ9:マダケ ― 日本文化を支える竹 ―

タケシリーズ

🌿 基礎情報

  • 分類:イネ科 タケ亜科 マダケ属
  • 和名:マダケ(真竹)
  • 学名:Phyllostachys bambusoides
  • 分布:原産:中国南部/日本各地に古くから定着
  • 生育環境:里山・集落周辺・緩やかな斜面
  • 高さ:15〜20m前後
  • 稈径:8〜12cm前後
  • 地下茎:走出型(比較的おだやか)
  • タケノコ:春・小ぶりで風味が強い
  • 用途:建材・竹細工・農具・生活用品
  • ポイント:加工性と扱いやすさに優れた在来竹

日本の竹文化を思い浮かべるとき、多くの場合、そこにあるのはマダケだ。竹垣、物干し竿、籠、竿、道具の柄。暮らしのすぐそばに、静かに立ってきた竹である。

モウソウチクほどの力強さはないが、その分、制御しやすく、用途が広い。マダケは「使われること」を前提に、里山に根づいてきた竹だ。

🎐目次

🌿 1. マダケとはどんな竹か ― しなやかな稈

マダケの稈は、ほどよい太さと均一さを持つ。真っ直ぐで節間が揃い、加工しやすい形をしている。

  • 質感:軽く、しなやか。
  • 外観:緑色が安定。
  • 印象:整った竹林をつくる。

力で押す竹ではなく、手に従う竹。マダケの性質は、道具や建材としての使いやすさに直結している。

🏞️ 2. 生育と更新 ― 人の管理と相性のよい竹

マダケも走出型地下茎を持つが、拡大の勢いは比較的穏やかだ。

  • 更新:適度な間隔で稈を更新。
  • 管理:伐採・利用で安定。
  • 広がり:制御しやすい。

定期的に使われることで、竹林は健全さを保つ。マダケは、人の手が入る環境で最も力を発揮する。

🍃 3. 人との関係 ― 竹文化の基盤

日本の竹細工や生活用品の多くは、マダケを前提として発展してきた。

  • 用途:籠・ざる・竿・柵。
  • 建築:竹垣・下地材。
  • 暮らし:軽さと耐久性。

使い捨てではなく、直しながら使う。マダケは、そうした生活の時間感覚と相性がよかった。

🔎 4. モウソウチクとの違い ― 力と扱いやすさ

同じマダケ属でも、性質は大きく異なる。

  • 太さ:モウソウチク > マダケ。
  • 拡大力:モウソウチクが強い。
  • 用途:マダケは加工向き。

モウソウチクが「量の竹」なら、マダケは「質の竹」だ。

🌙 詩的一行

マダケは、手に取られる距離で育ってきた。

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