🌿 チャノキ10:二番茶・三番茶 ― 季節が変える味

チャノキシリーズ

― 春の柔らかさが過ぎると、光が強くなり、茶の味はゆっくりと“夏の顔”に変わっていく ―

一番茶のあとに伸びる新芽でつくる二番茶・三番茶。季節が進むにつれて光が強くなり、葉の成分も大きく変わる。春・初夏・盛夏、それぞれの風味を知ることは、チャノキのリズムを知ることでもある。

🌿目次

🌱 二番茶・三番茶とは ― 一番茶とのちがい

二番茶・三番茶は、一番茶の収穫後に伸びた新芽でつくられる。

  • 一番茶:春の新芽 → 旨味・甘みが強い
  • 二番茶:初夏の新芽 → 渋み・爽やかさが増える
  • 三番茶:盛夏の新芽 → 力強い渋み・香ばしさ

季節の変化が、そのまま風味の変化になる。

🌞 強い光がもたらす変化 ― 成葉の働き

初夏〜盛夏は光が強く、葉の内部で大きな変化が起きる。

  • テアニンがカテキンへ変化しやすい
  • 渋みが増え、爽やかさが前に出る
  • 葉が厚くなり、火入れで香ばしさが出やすい

光が強いほど、お茶はキリッとした味になる。

🌿 二番茶の特徴 ― 爽やかさと渋みの増加

二番茶は初夏(多くは6月頃)に収穫される。

  • 一番茶より渋みが強い
  • 爽やかでキリッとした味
  • 旨味は少し控えめ

香りは若々しいが力強い方向へと寄る。

🔥 三番茶の特徴 ― 力強さ・渋さ・香ばしさ

三番茶は夏が深まった時期に収穫される。

  • 渋みが最も強い
  • 香りは重く、火入れと相性が良い
  • 番茶・ほうじ茶に向く

暑さと光で葉がたくましくなるため、風味は力強い方向に振れる。

🍵 どんなお茶になる? ― 番茶・ほうじ茶との関係

季節ごとの葉の特徴に合わせて用途が分かれる。

  • 二番茶:煎茶・深蒸し茶向き
  • 三番茶:番茶・ほうじ茶・玄米茶の素材

夏の葉は火入れとの相性が良く、強火の焙煎で香ばしさが際立つ。

🌙 詩的一行

季節の光が変わるたび、葉の中の味もゆっくりと姿を変えていく。

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