🐟サバ16：日本の漁村 ― 海と生きる町 ―

― 海と生きる町 ―

潮の匂いがする町には、時間がゆっくり流れている。
朝の市場の声、夕暮れの網干し、祭の太鼓の音。
日本の海辺には、そんな“暮らしの記憶”が今も息づいている。
サバの命と人の暮らしは、海という同じ呼吸の中にある。

🌾目次

早朝の港には、まだ霧が残る。
船が出ていく音、波に反射する光、並ぶ漁具。
この町の時間は、潮の満ち引きとともに流れている。
海が荒れる日は、漁師も休む。それが自然との約束だった。

日本の漁村には、どこにも“海の祭”がある。
大漁を願う神事、船の装飾、浜辺の太鼓。
それは単なる行事ではなく、海への感謝と畏れの表現。
サバの群れを迎える漁師の心に、祈りは今も生きている。

かつて漁で賑わった港にも、静けさが訪れた。
若者は町を離れ、家々の屋根には潮風だけが残る。
けれど、祭の太鼓と海の音が響くとき、
この町は今も「海と生きる町」として息をしている。

海の音がある限り、この町は生きている。