🐟サバ10：漁と市場 ― 日本の海の背骨 ―

― 日本の海の背骨 ―

夜明けの港に、網の音が響く。
サバは眠らない魚。だから漁師も夜を眠らない。
沖に出る小さな船、寄せる波、光る銀の群れ。
日本の海は、この魚の背で支えられてきた。

🌾目次

サバ漁は、潮の流れを読むことから始まる。
定置網、巻き網、一本釣り――漁法は地域ごとに異なる。
海の表情は毎日変わり、漁師はそのわずかな兆しに賭ける。
そこには、海を相手に生きる人の感覚と祈りがある。

夜明けとともに、港の市場は動き出す。
氷の上に並べられた銀の魚たち。
声が飛び交い、値がつき、今日の海の成果が町へと流れていく。
その光景は、漁と生活をつなぐ“日本の海の朝”そのものだ。

サバは日本の漁業を支える主要魚種のひとつ。
缶詰や加工品、学校給食にまで広く使われ、
海の恵みを経済と日常に変えてきた。
それは、海と人が手を取り合う「生活の循環」でもある。

海の音を聞く手が、日本を支えている。