🦋 チョウ15:キアゲハ ― セリ科と結ぶ幼虫 ―

チョウシリーズ

ナミアゲハとよく似た姿を持ちながら、
キアゲハは、少し違う場所を飛ぶ。

畑の縁、草地、河川敷。
ミカンの木ではなく、
背の低い草本植物のそばで、静かに世代を重ねている。

キアゲハは、
食草の違いによって生きる場所を分けたアゲハだ。
この回では、キアゲハを、
植物との関係から見ていく。

🧾 基礎情報

  • 分類:昆虫綱/チョウ目/アゲハチョウ科
  • 和名:キアゲハ
  • 学名:Papilio machaon(日本亜種 P. m. hippocrates
  • 英名:Old World Swallowtail
  • 分布:日本全土、ユーラシア大陸、北米の一部
  • 生息環境:草地、畑、河川敷、郊外
  • 出現時期:4〜9月
  • 世代数:年2〜3回(多化性)
  • 越冬:
  • 大きさ:開張65〜85mm(目安)
  • 成虫の食性:花蜜
  • 幼虫の食草:セリ科(ニンジン、パセリ、ミツバなど)
  • 見分けポイント:黄色味の強い翅と黒い縞模様
  • 保全:現状安定(農地環境に依存)

🦋 目次

🦋 1. キアゲハという存在

キアゲハは、
ナミアゲハと並んで知られる大型のアゲハチョウだ。

黄色味のある地色に、
太い黒の縞が走る翅。
その配色は、より草地に映える

キアゲハは、
樹木よりも、
低い植物の広がる場所を主な舞台にしている。

🌾 2. 草地と畑を選ぶ理由

キアゲハが草地や畑に多いのは、
幼虫の食草が、
そうした環境に集中しているからだ。

  • 畑:ニンジン、パセリ
  • 野原:ノラニンジン、セリ類
  • 河川敷:ミツバ類

人が耕し、
植物を育てる場所は、
同時にキアゲハの繁殖地にもなった。

キアゲハは、
人の営みと重なる場所で、
静かに暮らしている。

🐛 3. セリ科植物との関係

キアゲハの幼虫は、
セリ科植物を食べて成長する。

セリ科植物には、
独特の香りと化学成分がある。
幼虫はそれに耐え、
利用できる数少ない存在だ。

若齢幼虫は、
ナミアゲハと同じく、
鳥の糞に似た姿をしている。

成長に伴って、
鮮やかな緑色に変わり、
目立つことを恐れない姿になる。

🪽 4. ナミアゲハとの違い

見た目が似ているため、
混同されやすいが、
生態には違いがある。

  • 食草:ナミアゲハはミカン科、キアゲハはセリ科
  • 環境:庭木中心か、草地中心か
  • 色味:キアゲハの方が黄色が強い

この違いは、
競争を避けるための分化とも言える。

似た姿のまま、
使う植物と場所を分ける。
それが、キアゲハの選んだ道だ。

🌞 詩的一行

キアゲハは、草の高さに合わせて、生き方を決めてきた。

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