🐦 ツバメ14:ショウドウツバメ ― 土に穴を掘る異端 ―

ツバメシリーズ

ツバメの仲間は、巣を空中につくる鳥だと思われがちだ。だが、その常識から静かに外れた種がいる。

ショウドウツバメは、崖や建物ではなく、地面に穴を掘って巣をつくるツバメだ。空を生活の場にしながら、繁殖の拠点だけは地表に置く。その選択は、ツバメ科の中でも際立っている。

飛翔の鳥でありながら、土に身を預ける。その二重性が、この種の生き方を形づくっている。

📘 基礎情報

  • 和名:ショウドウツバメ
  • 英名:Sand Martin / Bank Swallow
  • 学名:Riparia riparia
  • 分類:鳥綱/スズメ目/ツバメ科
  • 分布:北半球広域・日本(主に渡来期)
  • 体長:約12〜13cm
  • 翼開長:約26〜29cm
  • 体重:約11〜20g
  • 食性:昆虫食(空中採餌)
  • 繁殖:春〜夏/土中巣穴/3〜6卵
  • 越冬:アフリカ・南アジア
  • 観察しやすい場所:河川の土手、砂崖、造成地

🐦 目次

🕳️ 1. 地面に巣をつくる理由 ― 空から土へ

ショウドウツバメは、垂直な土壁に自ら穴を掘り、その奥に巣室をつくる。

この方法は、建築物や樹木に依存しない。川の浸食や崖の崩落が生む裸地を、そのまま繁殖地として利用できる。

🏞️ 2. 集団営巣 ― 崖に開く無数の穴

ショウドウツバメの繁殖地では、数十から数百の巣穴が並ぶこともある。

  • 巣穴の長さは50cm以上になることもある
  • 入口は小さく、内部は広い
  • 集団で警戒・防御を行う

孤立よりも数を選ぶ。その判断が、地表に巣を置くリスクを補っている。

🪶 3. 小型で淡い体 ― 目立たないという戦略

ショウドウツバメは、ツバメ類の中でも特に小型で、色彩も控えめだ。

派手な模様を持たないことは、集団営巣地での視認性を下げ、捕食者に見つかりにくくする。

🔄 4. 他のツバメ類との決定的な違い

ショウドウツバメは、巣の場所によって他種と明確に区別できる。

  • ツバメ:軒下・半椀形の巣
  • コシアカツバメ:袋状巣・高所構造物
  • イワツバメ:閉鎖型巣・崖や壁面
  • ショウドウツバメ:土中巣穴

同じ空を使いながら、繁殖の足場は最も低い。

🌙 詩的一行

空を飛びながら、命を預ける場所だけは土の中にあった。

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