🎐 タケ19:生態系における竹 ― 保全・管理・利用の未来 ―

タケは、守るべき存在なのか、抑えるべき存在なのか。その問いは、これまで何度も繰り返されてきた。

しかし実際には、タケはただ生き方を続けているだけだ。問題が生まれるのは、タケと人との距離が極端に近づいたり、逆に離れすぎたりしたときである。

この回では、竹を生態系の一部として捉え直し、保全・管理・利用をどう結び直せるのかを整理する。

🎐目次

🌿 1. 生態系の中の竹 ― 役割と影響

竹は、生態系の中で明確な役割を持つ。

  • 更新:裸地や撹乱地を素早く覆う。
  • 循環:大量の有機物を供給。
  • 調整:風・水・温度の緩和。

一方で、拡大しすぎれば多様性を下げる。竹は「良い」「悪い」で語れる存在ではなく、影響の幅が大きい植物だ。

🌱 2. 保全という考え方 ― 残すべき場所

すべての竹林を排除する必要はない。

  • 自然林:ササ類を含む安定した植生。
  • 文化景観:管理された里山竹林。
  • 境界帯:人と森の緩衝地。

残すべき竹林は、「役割を果たしている場所」にある。見た目の広さではなく、機能で判断する視点が必要だ。

🏞️ 3. 管理という行為 ― 手を入れる意味

管理は、抑え込むことではない。

  • 間引き:光と空間を戻す。
  • 境界管理:拡大の制御。
  • 更新:若い稈への入れ替え。

適度な管理は、竹林の健全さを保つ。完全な放置と過剰な排除、そのどちらでもない中間が求められている。

🔎 4. 利用の再設計 ― 使いながら続ける

竹は、使われてきた植物だ。

  • 素材:建材・燃料・チップ。
  • 食:タケノコ。
  • 循環:切っても再生。

新しい技術だけでなく、古い利用法の見直しも含めて、竹との関係は再設計できる。使うことが、管理につながる可能性は残っている。

🌙 詩的一行

竹は、置かれた場所で役目を変え続ける。

🎐→ 次の記事へ(タケ20:これからのタケ)
🎐→ タケシリーズ一覧へ

コメント

タイトルとURLをコピーしました