タイの姿は、一生同じではない。
海の中で過ごす時間とともに、体の大きさだけでなく、
色や模様、使う場所までもが変わっていく。
若いタイは、目立たず、軽く、浅い場所にいる。
成長するにつれ、色は深まり、行動は落ち着き、
海の使い方が広がっていく。
この変化は、単なる成長ではない。
生き残るために選び直してきた段階の積み重ねだ。
この章では、タイがどのように姿を変えながら成長し、
色がどのような役割を担ってきたのかを見ていく。
🐟 目次
🐣 1. 稚魚期 ― 浅場で生きる時間
孵化したばかりのタイは、外洋を漂ったのち、
沿岸の浅場へと移動する。
この時期の体は小さく、色も淡い。
赤というより、透明感のある銀色に近い。
- 生息域:内湾・干潟・藻場
- 利点:餌が多く、隠れ場所がある
浅場は危険も多いが、
同時に、成長に必要な資源が集中している。
稚魚期は、目立たず、早く育つことが最優先になる。
🌿 2. 若魚期 ― 色と行動の変化
成長が進むと、体に模様や色味が現れ始める。
完全な赤ではなく、まだ斑や縞が残る段階だ。
行動も変わる。
群れで行動する時間が減り、
単独で底を探る場面が増えていく。
- 体色:淡い赤・斑模様
- 行動:群れと単独の併用
この時期は、
守られる存在から、自分で選ぶ存在へ移行する段階だ。
🎨 3. 成魚の色 ― 赤が定着する理由
成魚になると、体色は安定し、
いわゆる「タイらしい赤」が前面に出る。
この赤色は、
浅場では視認性が高く、
深場では暗色として溶け込む。
- 役割:仲間の識別、繁殖行動
- 効果:水深による見え方の変化
成魚の赤は、装飾ではない。
成長段階を終えた結果として定着した色だ。
📏 4. 成長と生息域の移動
体が大きくなるにつれ、
タイはより深く、安定した海域へ移動する。
- 浅場:稚魚・若魚
- 沿岸:若魚〜成魚
- やや深場:成魚
この移動は、
捕食者との関係、餌の確保、
繁殖行動と密接に関わっている。
タイの成長とは、
体だけでなく、海との距離を変えていく過程でもある。
🌊 詩的一行
タイは、色を深めながら、使える海を静かに広げてきた。
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