植物プランクトンは、
長く生きることで世界を支えているわけではない。
一つ一つの命は短く、
ときに数日、
ときに数時間で役目を終える。
それでも水域から消えないのは、
増えること自体が、生き方として組み込まれているからだ。
🌱 目次
➗ 1. 分裂という基本動作
植物プランクトンの多くは、
細胞分裂によって増える。
条件が整えば、
一つの細胞が二つに分かれ、
さらに四つ、八つと数を増やす。
この増殖は、
特別な行為ではない。
生きていることそのものに近い。
成長し、成熟し、子を残す――
そのような段階はなく、
分裂することで、
次の世代がそのまま現れる。
🌼 2. ブルーム ― 一斉に増えるという現象
光、栄養、水温。
条件が揃うと、
植物プランクトンは爆発的に増える。
この現象を、
ブルームと呼ぶ。
- 水の色が変わる
- 透明度が下がる
- 短期間で量が跳ね上がる
ブルームは、
異常のように見えることもある。
だが本来は、
環境への即時的な応答だ。
増えることで、
光や栄養を取り尽くし、
やがて自ら減っていく。
🕰️ 3. 増えない時間を持つ意味
植物プランクトンは、
常に増え続けているわけではない。
不利な条件のもとでは、
休眠という選択を取るものもいる。
- 厚い殻をつくる
- 底泥に沈む
- 時間をやり過ごす
この「増えない時間」は、
失敗ではない。
環境が戻るのを待ち、
再び浮上するための、
時間の貯蔵だ。
⚖️ 4. 数で環境に応答する
植物プランクトンは、
環境を変えようとはしない。
代わりに、
数を変えることで、
環境に応答する。
増え、
減り、
消えたように見えても、
次の機会を残している。
この柔軟さが、
水域生態系を、
一時的な変化で壊れないものにしている。
植物プランクトンは、
数そのものを使って、
世界と対話している。
🌙 詩的一行
増えることも、待つことも、生き延びるための同じ動作だった。
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