植物プランクトンの体は、
あまりにも小さく、
分解して考えられることが少ない。
だがその内部には、
水中で光を使い切るための、
過不足のない設計が詰まっている。
余分なものを持たず、
必要なものだけを残した体。
それが、植物プランクトンの基本形だ。
🌱 目次
🔬 1. 細胞という最小単位
多くの植物プランクトンは、
単細胞、もしくはごく少数の細胞から成る。
そこには、
核、葉緑体、ミトコンドリアといった、
生命活動に必要な装置がすべて詰め込まれている。
根も、葉も、茎もない。
一つの細胞が、すべてを兼ねている。
水中では、
物質のやり取りは体表から直接行える。
そのため、複雑な器官は必要なかった。
🧱 2. 殻と外形 ― 守りと浮力の両立
植物プランクトンの中には、
硬い殻や、独特の外形を持つものが多い。
- 珪藻:ガラス質の殻で体を包む
- 鎖状:連なって沈下を防ぐ
- 突起:表面積を増やし、捕食を避ける
これらは防御だけでなく、
沈みにくさにも関係している。
殻は重さでありながら、
形によって水の抵抗を増し、
結果として体を水中に留める。
🎨 3. 色素の多様性 ― 光を逃さない工夫
植物プランクトンは、
葉緑素だけに頼っていない。
水中では、
光の質が深さによって変わる。
その変化に対応するため、
多様な色素が使われている。
- クロロフィル:基本となる光合成色素
- カロテノイド:青緑光を補助的に利用
- フィコビリン:弱い光を拾う
色は装飾ではない。
それぞれが、
水中の光環境への回答だ。
⚙️ 4. 単純さが生む機能性
植物プランクトンの体は、
一見すると脆く、頼りない。
だがその単純さは、
壊れにくさにつながっている。
傷つけば分裂で補われ、
不利になれば数で補われる。
個体に依存しない設計が、
集団としての強さを生んでいる。
複雑にならなかったこと。
それ自体が、
水中で生きるための完成形だった。
🌙 詩的一行
小さな体は、必要なものだけでできていた。
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