🌱 植物プランクトン11:渦鞭毛藻 ― 動く光合成生物 ―

植物プランクトンシリーズ

水の中で、
ゆっくりと回転する影がある。

沈むでもなく、
流されきるでもなく、
自分の向きを、
わずかに選んでいるような動き。

それが、
渦鞭毛藻と呼ばれる植物プランクトンだ。

🧾 基礎情報

  • 和名:渦鞭毛藻類
  • 英名:Dinoflagellates
  • 学名:Dinoflagellata(代表的分類群)
  • 分類:真核生物/藻類(一部は従属栄養)
  • 区分:植物プランクトン(生活様式)
  • 分布:全球(主に海洋)
  • 生息環境:表層の有光層、沿岸〜外洋
  • サイズ:数十µm前後
  • 栄養様式:光合成/混合栄養(種による)
  • 増え方:細胞分裂/条件によりブルーム
  • 移動:2本の鞭毛による回転遊泳
  • 捕食者:動物プランクトン(カイアシ類など)
  • 観察のヒント:生きたままの試料を顕微鏡で観察

🌱 目次

🌀 1. 渦鞭毛藻とは何者か

渦鞭毛藻は、
植物プランクトンの中でも、
性格のはっきりした存在だ。

珪藻のように、
量で水域を支えるタイプではない。
その代わり、
動き、反応し、
環境の変化に素早く応答する。

渦鞭毛藻は、
水域の中で、
より「個体らしさ」を持った藻類である。

🏊 2. 動くという特異性

渦鞭毛藻の最大の特徴は、
自力で動けることだ。

2本の鞭毛を使い、
回転しながら、
ゆっくりと水中を移動する。

  • 光のある方向へ向かう
  • 栄養条件のよい層に留まる
  • 昼夜で深さを変える

これは、
流れに完全に身を任せる
他の植物プランクトンとは、
明確に異なる戦略だ。

🌗 3. 光合成だけに頼らない生き方

渦鞭毛藻の中には、
光合成を行いながら、
微小な生物を取り込む種もいる。

このような生き方を、
混合栄養と呼ぶ。

光が不足すれば食べ、
栄養が乏しければ光を使う。

渦鞭毛藻は、
生産者と消費者の境界を、
行き来する存在でもある。

⚠️ 4. ブルームと人との距離

渦鞭毛藻は、
条件が揃うと急激に増え、
赤潮などの現象を引き起こすことがある。

その一部は、
毒素を産生し、
貝毒や漁業被害につながる。

ただし、
それは異常ではなく、
環境変化への応答として現れる。

渦鞭毛藻は、
人間活動の影響を、
敏感に映し出す存在でもある。

🌙 詩的一行

動けることは、選び続けることだった。

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